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エクスマ・マーケッター藤村正宏さんが伝える「3つのF」(第53回 「夏季セミナー」記念講演から)

2018.10.30

「Family Friend Follower

 『3つのF』が価値になる」!

SNSとスマホの普及で世の中が大転換! お客さまにとっての価値を伝えよう。

 

 

「エクスペリエンス・マーケティング」エクスマ・マーケッター 藤村正宏 氏

(PR現代「第53回 夏季セミナー」記念講演より )

<講師プロフィール>

藤村正宏(ふじむら まさひろ

1958年、北海道釧路生まれ。釧路湖陵高校から明治大学文学部(演劇学専攻)へ進む。早稲田大学演劇研究会にて演劇をプロデュース。大学卒業後、「株式会社京屋」にてヴィジュアルプレゼンテーション、ニューヨーク大学にて映画製作の勉強等を経験後、「フリーパレット集客施設研究所」を設立し、ウインドーディスプレーに従事。1992年、「ラーソン・ジャパン」取締役就任後、各種集客施設の企画設計を手がける。集客施設の企画に演劇の手法を取り入れて成功。

ヒトの潜在意識に影響する要素を注意深く分析して企画に取り入れるほか、体験を売るという「エクスペリエンス・マーケティング」の考え方で集客施設や会社のコンサルティングを行っている。現在「フリーパレット集客施設研究所」主宰。

 

著書:『「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』『「せまく」売れ!「高く」売れ!「価値」で売れ!』(以上「インデックスコミュニケーションズ」)、『安売りするな!「価値」で売れ!』(実業之日本社)、『「つながり」で売る!7つの法則』『SNS消費時代のモノの売り方「3つのF」が価値になる!』(以上「日本経済新聞出版社」)など。

 

『SNS消費時代のモノの売り方「3つのF」が価値になる!』
「日本経済新聞出版社」

 

藤村氏は、SNSとスマホの普及により「世の中が大転換した」と言う。「SNSの情報の影響による消費が増えている。情報が増えるということは選ばれにくくなるということ」であり、「人は友人や家族などの『つながっている人』の情報に注目するようになる。『3つのF』――家族(Family)、友人(Friend)、フォロワー(Follower)からの情報が信頼され、選ばれる時代になった」と語る。(以下、講演要旨)

 

キーワードは「時間が価値」

先日、北海道青年会議所の大会に呼ばれたのですが、400人ぐらい参加されていて、私以外のゲストの講演は撮影禁止でした。でも、ぼくのときは撮影OKですから、どんどん撮影してください、SNSにどんどん上げてくださいと言った。その講演が終わった後、すごいことになった。青年会議所のツィッターが全部ぼくの写真ばかり載っている……。何を言いたいかというと、よく店舗撮影禁止というところがあるのですが、その意味が分からない。SNSが発達しているいま、撮影禁止の時代ではない。

 

iPhoneができて11年。皆さん、いまはほとんどスマホを見ている。ラインとかゲームをやっている人、情報収集している人。実は「スキマ時間」が人々にとって価値がある時代。ラーメン店の屋台で待っているとき、家事の合間にスマホを見て「スキマ時間」を有効に使う。

 

 

スマホで人々のライフスタイルは変わった!

フェイスブック(FB)ができて10年。個人でもSNSで世の中に情報発信できるようになった。これはすごいことです。こういうことは、人類で初めてできるようになったのだから! 次にすごいのは、個人でもたくさんの方とつながることができること。たった10年で人々のライフスタイルが変わった。

 

例えば、今まではリアル店舗に足を運び、店内で商品を探す、レジを打ってもらって支払いをする。ところが、いまや店舗に行かなくても欲しい商品が買える。アマゾンは世界一の小売店。それを受け止める必要がある。そうすると、リアル店舗はやばいです。単に「モノ」を売っているショップはなくなる……。

 

というのは、ぼくは趣味でルーフバルコニーをやっているのですが、近くにホームセンターがあるので、園芸用品を買いに車で行った。だけど買いたいものが売ってなかった。いつ入るの?と聞くと、「来週金曜日です」と言う。仕方ないので家に戻り、どうしよう?と思ってアマゾンで見ると、探していたものが売っていた。それを買うと、次の日の朝、届いている。「モノ」を買うだけだったら、アマゾンにアクセスして注文すればいい。それって、リアル店舗の意味がない。

 

スマホの普及によって人々のライフスタイルは変った!それにより次のようなことがおきている。

 

一つは、面倒だということ。人々は忙しくなっている。時間が一番の価値になっている時代に出かける、探すということがムダだと思う。シンプルでスピーディーな体験を人々は求めています。

 

次に、中間業者の存在。商品が消費者の手に届くまでに製造元と卸売、中継ぎに小売店などいくつかの業者を経ていたのが常識。

 

三つ目は、まだ「モノ」を売っている意識。まだまだ商品という発想から抜け出せない。

 

 

「モノ」ではなく、「体験」を売ろう! 

エクスペリエンス・マーケティング(エクスマ)が大事。商品やサービスを売っていると思わないこと。こだわりやスペックは以前ほど価値がない。もう「モノ」は余っている。消費者は消費しなくなっている。

例えば化粧品。お客さまが化粧品を欲しい理由が大事。化粧品を買うことによって、シミを隠し、美白になりたい。年齢より若くなりたい、いつまでもイキイキ、自分らしく生きるために化粧品を買う。その価値が大事。

 

例えば、風邪をひく。のどが痛い。朝、会議あるので会議は休めない。そこで、ドラッグストアに行って風邪薬を見ると、50種類ほどある。例えば、「ブロムヘキシン塩酸塩ビタミンC配合…」と書かれていても、よく分からない。そうではなく、「仕事が休めず風邪を早く治したい!」と書いてあれば、「これだ!」と分かる。だから、価値の伝え方。「モノ」を売るのではなく、「体験」を売るという視点。ただ、視点(ものごとの見方、考え方)を変えることなのです。これは、誰でも簡単にできる。明日からでもすぐにトライできる。やるとやらないではその後の結果が、大きく違ってくる。

 

 

どうして「視点」を変える必要があるのか?

大量生産・大量消費の終焉、モノ余り、人口の減少・高齢化、マスメディアの衰退――という時代の中、スマートフォンの普及、SNSのインフラ化、テクノロジーの進化(人工知能、ロボット、IoT、VR、ブロックチェーン)というビジネス環境の激変があります。

 

SNSのすごさを実感したのは2011年、東日本大震災のときです。携帯の通話はダメだったけど、SNSはつながっていた。これは、災害のとき身を守ると思った。日本中、各自治体が防災用にツィッターのアカウントを用意し始めた。これはマーケティングビジネスにできると思いました。

 

ぼくは2010年8月からFBやブログをやっていた。そこで、2013年、「エクスマ」の塾生を集めてSNSの特訓をした。すると、面白いことが起こった。自分のコミュニティーができて、そこでつながる。マスメディアから個人のメディアへ拡がり、個人がメディアになる。そのつながりが、マスより大きな影響力を持つ。

 

2011年、世の中のビジネスのあり方が変わると思った。これからは、つながりの経済。人々は24時間365日ネットにつながっている。SNSで人と人がつながりあい、発信しあっている。つながりの中で、多くの消費が起きる。

 

塾生の会社も、つながりの中で発注している。つながりの中で、たいていの職業が見つかるので、相続のことで相談があると、まず友達に聞いて相続に強い人を紹介する。

 

その紹介で、相続の件がうまくできたと連絡がくる。2年後の成人式「振袖はどこがいい?」と友達に聞く、そういう時代。皆さん、コミュニティーがつくりやすくなった。これからは、ファンをつくる時代。つながりの経済の中、SNSは大事だけど価値をちゃんと伝えているのか? どんなに素晴らしいい商品を売っていても、どんなに素晴らしいサービスを提供していても、どんなに素晴らしい店や会社でも、その価値を伝えなければ、価値が分かりにくかったら、お客さまにとって、あなたの商品、サービス、店、会社は、存在しないのと同じこと。

 

 

誰に何を伝えたいのか?

価値を伝えるための三つのポイントがある。①誰に、②何を伝えて、③どうしてほしい? それは商品によって違う……。

 

北海道の小樽にある「おたる政寿司」の例をあげます。ここの3代目の経営者、中村圭助さんは「エクスマ塾」の塾生です。「政寿司」は老舗です。テレビ、ラジオ、ちらし、ネット広告などに年間3,000万円ほどかけている。何店舗かあるのですが、その当時、売り上げは8億円弱。お金かけても売り上げが上がらないという相談があったのですが、店を見ると、どうも敷居が高い。中村さんは「うち、敷居低いです」と言う。ところが、どう考えても敷居が高い。入りにくい。中村さんは「敷居低いと思っていた」と言う。だったら、そのことを書けばいいと言った。中村さんは黒板に次のように書いた。「こんにちは。本店店長の中村です。先日、お客さまに『政寿司って、敷居高くて入りにくいわ』って言われて、凹んじゃいました。実際はそんな感じじゃなく、あったか気持ちになれる店づくりをしてるんです! お気軽にご来店ください」と。その横に、中村さんの顔写真を入れなさい。怖い顔でなく、ニコニコした顔写真入れなさいと。すると、「ぼく職人なんですけど……」と言う。しかし、後日、ニコニコした自分の顔写真を貼った。それで、どうなったかを聞いたところ、次のような返事でした。

 

「 ショックです。その日からお客さんが増えて、売り上げが上がりました。年間3,000万円かけても売り上げ上がらなかったのに、ショックです」と。「政寿司」は今では年間16億円の売り上げです。

 

次に、美容室の例ですが、神奈川県大和市に「ガナーズ」という店がある。勝村大輔さんという「エクスマ」の塾生が経営している店。サッカーが大好きな美容室のオーナー。「今度、もう1店舗つくるので、こういうチラシをつくりたい」と言って相談に来たのです。そのちらしを見せてもらったとき、ダメだよと言った。まず、そのちらしの「誰でもOK」というのがダメ。誰でもOKというのは、誰からも支持されないというのと同じ。誰に来てもらいたいのか? それと、ちらしの顔写真(外国人の女性モデルの写真)、大和市にこういう人いるの?と聞くと、「いません」という。これではお客さまは、「私と関係ない」と思う。それから、オープン限定特典の1,500円。次に行くと、5,000円。これだと、次行かないでしょ。これは、ダメ。それと、メニューが多すぎ。71%オフとかも安すぎる。そうではなく、あなたの店はなぜ2店舗目をオープンできるようになったのか。そのことを顔写真を入れて書きなさいといった。顔写真があるとお客さまは安心できるから。

 

そして、オーナー、店長、スタイリストたちのニコニコした写真を入れた「ガナーズイーストオープン」というちらしができた。表面は「大和市にお住まいのご家族のみなさん! ガナーズがここまで走ってこれたのは、支えてくれるお客さまのおかげです! スタッフとお客さまとの一体感。それが、ガナーズの真骨頂。まるでホームで試合をしている選手とサポーターの関係と同じかもしれないですね……」という手書きのチラシ。裏面はサポーターの声として、お客さまからの声や地図、HPのことも掲載した。そのちらしを1万5千部つくって、新聞折り込みをした。すると、反響がすごかった。そのちらしで新規のお客さまが129名できた。

 

結局、誰に何を伝えたいのか。誰が言っているのか。どうしてほしいのか。それをきちんと伝えないといけない。

 

 

お客さまに買う理由を教える

次に4年ほど前の話ですが、北海道阿寒湖温泉に「鶴雅」というホテルがあります。こちらは私が10年以上コンサルをやっているところです。本店のお土産屋は年商3億円。ここを見て、チェックした。ここに黒板を立てたら……、照明が暗いとか、いろいろ分かる。でも、この店、簡単に売り上げが上がると思った。ここの売店はプライスカードだけで、POPがない。お客さまがお風呂から上がり、お土産物屋を見て、何か買う。「白い恋人」は売れる。有名だからそれが売れるのは分かる。その横に「根こんぶ茶」というのが置いてある。これは何ですか?と聞いた。身体にいい健康茶ですというのですが、よく分からない。それだったら、そういうことを書きなさいと。で、「根こんぶ茶」のPOPとして「北海道だけでしか手に入らない健康茶――根こんぶ茶。これを飲んでいると体調が……」ということを紙に書いて貼った。すると、それだけで売り上げが5倍になった。結局、お客さまは、買う理由が分からない。「根こんぶ茶」は、お客さまに買う理由を教えただけです。

 

もう1つの例。手打ちうどんセットですが、見ても何なのかよく分からない商品。つまり、買う理由が分からない。だから、売れない。そこで、その手打ちうどんセットのPOPを次のようにした。「これを買っていくと、絶対に奥さんにしかられます! なぜなら、とっても手間がかかるからです。でも手間がかかるものは、基本的に美味しいんです」――こうしたことを2年間やり続けた結果、どうだったか? POPをつけただけで、売り場面積も従業員数も商品数も変えず、年間売り上げ3億円が5億円にアップ。これ、すごくないですか?

 

FB、ツィッター、インスタグラム。今は情報が多すぎる。ということは、選ばれにくくなっている。一方的な広告は雑音になった。ユーチューブ動画などでよく広告スキップと出てきますが、皆さん、スキップする。見たくない。ところが、友達が話していることには耳を傾ける。友人、知人の情報には耳を傾けるのです。信頼している人、好きな人の発信は見る。すべての人はコミュニティーに属している。そのコミュニティーにどうアクセスするか? 人々は楽しみたがっている。仕事ができる人より、楽しい、面白い人に人は集まる!

 

昔は口コミと言った。人の紹介は強い。価値が伝わりやすい。それをたくさん起こすのがSNS。誰かが情報をアップしている、つながっている人の情報……。SNSをやっていないとそういうやりとりをしているところにお客さまは持って行かれるということになる。

 

 

10日間でサングラス500本、1200万円の売り上げ

次に“短パン社長”の例を挙げます。ぼくのセミナーや本でたびたび登場するアパレルメーカーの奥ノ谷圭祐さん(「(株)ピーアイ」社長)。「エクスマ塾」の合宿のときに、「Tシャツ3枚を2万円でやってみようと思う」という話を彼がした。白、ネイビー、グレーの3枚1セット。彼は、ホワイトボードに自分で書いたTシャツの絵をFBで朝7時45分にアップした。すると、「買います」と次々にコメントが入り、結果、3枚2万円のTシャツが2日間で460セット売れ、金額にして920万円になった。Tシャツの絵1枚をアップしただけです。これ、すごくないですか? コメントの中には、「ずいぶん高いティー(お茶)ですね。でも買います」というのがあったそうです(笑)。これがつながりの経済。

 

何で売れるのか? それは、彼のファンだから。彼は、毎朝、マンションで自撮りした写真をFBにアップする。それにいろんな人がコメントを入れる。

 

去年8月、アパレルだけでなく、サングラスを発売したのですが、1万9,000円のサングラス。ツィッターだけで限定200本販売した。ツィッターの拡散能力、すごいですね。そして、その後、12月1日にサングラスでコラボ企画をアップした。10日間で500本売れなかったら、つくらないという企画。それをSNSで拡散したところ、500本売れた。売り上げが1,200万円です。すごくないですか?これは、そのコミュニティーに入ってない人には分からないことです。

 

締め切り前、奥ノ谷さんに会い、サングラスは本当に500本予約が入らないとつくらないの?と聞いた。

 

「もちろんそうですよ」と言う。「499本の予約でもつくらないの?」「つくりません」。

その後、サングラスを予約した人たちがこの企画のサイトをリンクして、FBにシェアしたり、ツィッターでリツイートし始めた。「短パン社長のサングラス、500本の予約が入らなかったら私も買えません。お願いします、買ってください」「絶対欲しいので、皆さんよろしくお願いします」といった投稿です。その結果、500本のサングラスが予約完売になった。奥ノ谷さんはブランドを立ち上げて3年。発売回数20回(商品にして24型)、2017年10月までの売り上げ2億円。購入者200人。やっていることはすごいシンプル。好きなことをただひたすらSNSを使って発信しまくっているだけ。

 

 

インスタだけで新築3棟成約

次に、インスタグラム。

鹿児島の「住まいず」という工務店の例ですが、2016年3月からインスタを始めた。「木を生かした家づくりを通じて、住まいのアイデアを発信しています」というコンセプトで、インスタを毎日発信している。すると、半年で新築3棟成約した。そのうちの一人のお客さまは工務店や建築会社にいっさい問い合わせをしない。インスタを探して比較検討し、「住まいず」のことをずいぶん前からチェックして勉強している。この工務店の契約者の20%はインスタ経由。

 

兵庫県相生市の「ひまわり工房」のスタッフ 東 沙織さんの例。「エクスマ」の塾生です。東さんはライブ配信する。生放送です。それが無料でできる。スマホで生放送ができる時代。それで関係性をつくっている。毎週金曜日午後10時に「暮らしの知恵ネタ」をライブで発信している(平均視聴者300名)。

 

SNSは革命的。無料でたくさんの人に情報を届けることができるSNSをやらないというのは、友達や人々から忘れられてもいいということ。日常的に存在感が薄くなる。一方、新たな経済圏ができている。コミュニケーションするコストが限りなく安くなる(手間はかかるが)。

 

ツィッター、FB、インスタのフォロワーは資産。フォロワーは人に属している。呼吸のようにSNSをやろう。体験を売る考えを実践するために、①「ともかくやってみよう。ダメだったら変えればいいんだから」 ②「失敗しても、失敗と思わない」 ③「どんなことがあっても笑っていよう。自分のビジネスがもっと好きになる」SNSを活用しよう。決断ではなく、行動が大事です!

(文責・西本俊三)

講演の後に行なわれた参加者との記念撮影

 

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