Next Webolution|PR現代

トップインタビュー 挑戦する経営者たち

プレミアム消費に適応した お客さまに寄り添う企業努力を!

「JJF2018」日本ジュエリー協会(JJA)主催 パネルディスカッション

ジュエリー業界 2018.11.05

消費の価値観が多様化するなか、独自性や専門性を打ち出し、特化していくことで伸びている業態に取材し、消費マインドの方向性を考察する。

(8月29日〈水〉開催「JJFジャパンジュエリーフェア」〈東京ビッグサイト〉、「日本ジュエリー協会」主催パネルディスカッションより)

 

 

<パネラー>(写真右から)

(株)三越伊勢丹 特選・宝飾時計統括部 バイヤー 志村英明 氏

(株)高島屋 横浜店 ジュエリー&ウォッチサロン シニアマネージャー 青木 繁 氏

(株)ジュエリーカミネ 代表取締役 上根 学 氏

ジュエリーサロン ポンデュプレジール 代表  JC1級  橋本 佳代 氏

司会(株)PR現代  代表取締役社長 下島 仁

 

1:各社が考える最近のお客さまの傾向とは?

■三越伊勢丹 志村 氏

本物志向でヒューマンな快適性を求める

マーケットとしては富の二極化が進んでいることを実感します。人口は減少していますが、富裕層は増加していると感じますね。一般商材は低価格化が浸透してきている一方、こだわりのあるものはどれだけ高くても購入するという姿勢です。

最近のお客さまの傾向を把握するためのキーワードとして

①「賢い消費」

レンタルやシェアリングを活用し、ムダを排した合理的な消費傾向

②「本物・上質志向」

良いものには惜しみなくお金を使う

③「ストレスフリー」

購入手続きの快適性を求める

以上の3点が挙げられると思います。

物流や情報の発達により通販が定着し、決済・購入場所などのストレスはなくなりつつあります。その中で、あえてデパートに足を運び、ヒューマンな手続きを踏んで快適性を求めるお客さまのニーズを読み解くことが重要だと考えています。

 

■高島屋 青木 氏

プレミアム消費が時計に移行

私は現在、ジュエリーウォッチサロンにいるのですが、ジュエリーの売上高は前年比−11%と、あまりよくない数字です。一方ウォッチは+12.7%で数・単価ともに上がっています。プレミアム消費のトレンドが現在は時計に傾いていると感じています。

 

■ジュエリーカミネ 上根 氏

宝石の価値を伝える専門ジュエラー

私たちの店は今年で113年目、私で4代目です。神戸・芦屋で8店舗です。40代から70代の女性がお客さまの中心層で、全体の2割のお客さまが総売上の8割を占めています。もとは宝石・時計店でしたが、これからはより専門性を求められる時代だと思い、時計を扱うのをやめました。“宝石専門店”を目指し、販売員は入社前からJCを取ってもらっています。通り一遍の知識ではなく、宝石の価値を伝える「宝石のプロ」であるべきだと考えています。

 

■ポンデュプレジール 橋本 氏

ライフスタイルに合わせたカウンセリングを

私は2011年から店舗を持たない形態のオーダージュエリー店を運営しています。お客さまの中心は20代から50代で、ライフスタイルに合わせたカウンセリングが好評です。リフォームのご相談もたくさんありますね。ネット集客によって、今まで店頭に来ることのなかった層がお見えになっているのが特徴だと思います。平均単価は30万〜40万円代です。

 

2.お客さまに喜ばれている自社の取り組みは?(商品・プロモーション・サービスなど)

■三越伊勢丹 志村 氏

快適性をお客さまに提供し、信頼を得る

顧客のなかのトップオブトップに焦点を当てて売り上げをヘッジすることに砕身しています。そのようなお客さまは本物志向が強く、情報量も多いので、30〜40代の販売員より知識も豊富です。ですから品質や作りに対する価値をしっかり伝えることで、顧客の潜在意識を探り、快適性にアプローチして信頼を得ることを心がけています。

正確な情報提供でサザビーズやクリスティーズからの商品をお勧めしたり、ときには一緒に旅をして関係性の距離を縮めることもあります。

 

■高島屋 青木 氏

イベントやオリジナルコンテンツで発信!

私たちは三つの取り組みを行っています。

①ジュエリー素材の魅力を表現できるイベント

②他店にないオリジナルコンテンツの打ち出し

③販売員に取材した感動エピソードの相互共有

たとえば、病気療養中の奥さまの指をそっと糸で測り、結婚指輪を贈られた初老のお客さまのエピソードなど、販売員で相互共有しています。

 

 

■ジュエリーカミネ 上根 氏

色石の魅力を伝える

スリランカに自社工場を持ち、高品質の色石ジュエリーを直接お客さまに伝えるようにしています。また、手塚治虫先生が好きだったので手塚作品をはじめとした「ジュエリー絵画」の制作と販売をし、卸事業も展開しています。「宝石ってこんなに素敵なのね、身近かなのね」というエンドユーザーの声が多いのを実感しています。

 

■ポンデュプレジール 橋本 氏

「その人から買いたい」を大切に

お客さまの購買心理は時代とともに変わっていきます。現代はモノも情報も買い方も多すぎて迷ってしまうことでストレスを感じてしまう時代です。今、求められているのは自分の好きなテイストを提示してくれる人や店です。お客さまとは主にネットでのご提案でやりとりしています。

 

3.ジュエリー業界の課題、そして今後成長する可能性は何か?

■三越伊勢丹 志村 氏

地方の超富裕層にアプローチして新しいマーケット創造

バブル後は価格を下げるために品質も下がるという悪循環に陥り、ジュエリー全体のイメージダウンがありました。今後はクオリティーを保つことで業界全体の底上げを図っていかなければならないと思います。今後の成長には

①モノ→海外ブランドに勝る日本ブランドの発信

②マーケット→デパートのない地域や地方にまだまだいる超富裕層へのアプローチ

が欠かせない要素と考えています。

 

■高島屋 青木 氏

ユニークなプロモーションでジュエリーの魅力を発信

素材の魅力をわかりやすく発信するために、物語の存在を認知していただくことを心がけています。天然自然のものである宝石との出会いは、人との出会いに通じる一期一会なのだということ。そしてもう一つの発信はアニバーサリーやオケージョンの活用です。ブライダルやクリスマスだけではないさまざまな記念日を演出していくことが可能だと考えています。

 

■ジュエリーカミネ 上根 氏

「ビジュードファミーユ」を伝える

宝石に興味のない販売員はお客さまに見抜かれます。業界自体が宝石を愛する努力をし、良いものを売る努力をすることで第二のステージへ躍り出ることができると思っています。

 

■ポンデュプレジール 橋本 氏

ネットを通じて「知られる」努力を

どんなに良いものを作ってもユーザーに知られなければ意味がありません。それを助けてくれるのがネットの存在です。お客さまが行動しやすい動線づくりをし、見つけてもらう工夫を重ねています。

 

 

百貨店、地域を絞って集中して出店するドミナント戦略をとる宝飾店、ネット展開のみのオーダージュエリー店と、まったく違う形態の店舗から導き出された意見は、オリジナリティーの追求という共通点を持っていた。今後の各社の動向に注目したい。

(文責・嵯峨紀子)

 

PR現代

メールマガジン

MAIL MAGAZINE

マーケティング情報や当社からの
お知らせ(無料メールマガジン)をお届けいたします。

お申込みはこちら