今日はまた真夏に逆戻りという天気でしたね。
気温はそれほどでもなかったと思いますが、
とにかく湿度が高かった!
ベトベトな空気で、外にいるだけで汗だくになりました。
今日一日で汗ふきシートを大量に消費してしまいました。
そんな中いよいよ消費税増税に向けて世の中が色々と動きだしています。
まだ真夏のような気候でも
暖房器具や冬物の洋服が店頭に並んでいるようです。
今から揃えればお得なものと、増税を待って購入したほうがお得なものとがあるようで、
軽減税率なども加わって、簡単に理解することができない。
今回の増税はなかなかに手強いですね。
人はわかりにくいものを敬遠しがちです。
逆にわかりやすいものには興味を持ちます。
そういう意味では着物はとてもわかりにくいものに分類されるでしょうね。
いつ、どんな着物をどのように装うのがいいのか?
何しろそれがわかりにくい。
染と織とで格が違ったり、シーンによってふさわしい装いとそうでないものがあったり。
四季の国日本、通過儀礼や礼節を重んじる日本だからこそ
このような着こなし方が発展したんだろうと思う反面、
現代の生活とはかけ離れたルールは、
新規のファンを遠ざけてしまう要素が多いです。
着物にすでに興味があって、今すぐにでも欲しいという人は
少なくなってしまいました。
お店に、これ(絹布)くださいとやってきてくれる人は稀です。
しかし、着物をどう思いますか? と質問すれば
着物は好きですとか素敵だと思いますと答える人が大半です。
つまり欲しいとは思わないけど
興味はあるっていう人がほとんどなんですよね。
その証拠に、呉服店さんのウェブサイトのサーチコンソールで
使われた検索キーワードを調べてみると、
実に色々なキーワードが使われています。
ここに、生活者が知りたい着物に関する内容が詰まっています。
これらのキーワードを見るにつけ、
「着物だって、ニーズがある! 興味を持っている人は多い!」
と自信を持ちます。
ただ、欲しいと今思っていないだけです。
じゃあ、どうしたら欲しいと思ってもらえるのか?
ウェブ運用を日頃行なっていて思うのは、
情報を届け続けること、知識を提供し続けることが大切だということです。
ただ、間違っても展示会の情報や割引情報を提供してはいけないということです。
PR現代では、毎年「着物手帳」という手帳を発行しています。
この手帳には、着物の基礎知識や仕立て加工のこと、
季節にあった着こなしのこと、産地のことなど着物に関する基礎的な情報を掲載しています。
カレンダーのページにも、はみ出しにワンポイント情報を差し込んでます。
もう何十年と発行を続けられるのも、
気に入っていただいている要素があるからだと思っています。
手帳は365日常に手元に置いて繰り返し見るものです。
そうやって眺めているうちに、知識が自然と頭や体に染み込んでいくから
着物への興味や欲求が育まれていきます。
最近、催事の確約商品として使われることも多くなってきました。
グルメなどとは一線を画した商品ですが、
じわじわとお客様の心に効いてくる需要創出ツールとして使われています。
編集部は2020年版の着物手帳の印刷入れをついこの間完了しました。
手帳を作り始めるのって、実は年が明けて間もない頃なんですよね。
年明けから使い始めるのに、編集部的にはすでに次の年の手帳作りに着手するんです。
なんだか因果なものですが、
一人でも多くの着物ファンを作りたいという願いを込めて、
半年かけて、翌年の手帳作りをしています。
着物手帳は、当社で発行している月刊誌、和の生活マガジン『花saku』と同様、
売りには直結しないけれど確実に需要を生み出す仕掛けがあるツールなのです。
今着物を欲しいという人は少ないけれど、
着物について「知りたい」と思っている人は想像以上に多い。
それらの人に着物手帳を届けることで、
お客様が自然と情報や知識を吸収し
欲しい気持ちを醸成してくれます。
何をするにしても、
売り込みをする前に、
まずニーズを顕在化させるアクションが必要な時代です。