第三次タピオカブームなんですね。

今日もうだるような暑さで体がトロトロになっています。
熱中症気味な体調がなかなか戻りません。
今、第三次とタイトルをタイピングしたら「大惨事」と変換されていて、
慌ててタイトルを修正しました。気づいてよかった。。。

さて、今日はタピオカの話題です。
先日、我が家の次男が最寄り駅の「Beans」の中にできた
タピオカ専門店「Bull Pulu」に行きたい!と喚き、
猛暑にもかかわらず行列に並んでカルピスタピオカなるものを買って帰ってきました。
およそカルピスとは思えない色をしており、
インスタ映えするカップの底には当然のことながら黒いタピオカが鎮座していました。

これがインスタ映えするタピオカなのか? と一瞬戸惑いましたが、
次男は美味しそうに飲んでいます。

タピオカ自体も甘くて美味しいと喜んでいました。

そう、今のタピオカは美味しいんですね。

かつて私がまだ学生の頃にはやっていたタピオカは、白くて味のないものでした。

次男が食べていた黒いタピオカを見て、娘が「あっ!ブラックタピオカちゃん!」と叫びました。
娘にとって、タピオカは「すみっコぐらし」というキャラクターのひとつで、
タピオカは友達なのです。
タピオカほどではないかもしれませんが、この「すみっコぐらし」も大人気です。

調べてみると、現在のタピオカブームは3回目。なので第三次タピオカブームと呼ばれています。
第一次タピオカブームは、1992年。白いタピオカが入ったココナッツミルクが人気になったそうです。
私が知っているタピオカです。この頃のタピオカには味がないというイメージです。

第二次タピオカブームは、2008年。
台湾ブランドの上陸とともに、黒いタピオカが入ったミルクティーが流行りました。

そして、2018年あたりから、「黒タピオカドリンク」がブームになりました。
タピオカ自体に黒糖などで味付けして、美味しくなったことに加え、SNSでの拡散が流行を拡大させたこと。

そのSNS、特にインスタ映えするように、容器が非常にバラエティに富んでいて、
通常の透明カップのほかに、底が丸いものや牛乳瓶的なもの、ストレートボトル、
一瞬点滴の袋を思わせる透明ビニールパウチ型と容器そのものを工夫して、
とってもおしゃれになっている点です。

タピオカのかわいい容器を持って歩いていること自体がおしゃれでかわいい、
という感覚を今ドキ女子は楽しんでいるようです。
別にタピオカである必要もないのかもしれませんが、
話題のトレンドアイテムを手に持ってインスタ映えする写真を撮り、
いいね!を大量獲得するというライフスタイルです。

原価がどれくらいかわかりませんが、
飲み物として捉えると非常に高い金額ですよね、タピオカドリンクは。
それでも行列ができる人気ぶり。

このブランディングは、非常に学ぶところがあるなと思います。

いわゆる価値アップがとても上手だなと思います。

もともと材料のコストが低いものを使いながら、
美味しさを追求するという本質的な努力だけでなく、
パッケージやSNSでの拡散を狙ったスタイリングづくり。

我々が扱っている商品は、素材そのものに価値があるため、
パッケージや演出にこだわることにあまり注力せず、
そもそも価値があるというスタンスになっている傾向があります。

価値があるからこそ、そこにあぐらをかくことなく、
価値アップしていく努力や工夫がより一層大切ではないかと思います。

タピオカドリンクは、健康的に良いことがアピールされているわけでもありませんし、
価格も安くない。
本体+パッケージング(演出)+インスタ映え(ライフスタイル)という
三位一体がとてもハマったということですね。

我々の業界や商品に置き換えてみたとき、どんな工夫ができるでしょうか?
良い商品をよりよく見せる工夫、
商品そのものの価値を超えて、それを持つことの楽しさや豊かさ、
使用効果そのもので人々を魅了する工夫などです。

前述の「すみっコぐらし」も異色なキャラクターばかりです。
すみっコぐらしのすみっコとは、残り物やはじかれてしまったものという意味で、
タピオカも、カップの底にくっついて食べ残されたという設定のキャラクターです。
他にも食べ残されたエビフライのしっぽや油が多くて残されたトンカツ、
雑草やホコリといったおよそキャラクターになりそうにないものがかわいらしいキャラクターになっています。

価値がないどころか嫌われたものすら愛らしくすることができるというのは本当にすごいなと思います。
それゆえにもともと価値がある着物も、
工夫しだいでもっと魅力あるシナリオが作れるんじゃないかと思ってしまいます。

掲載の写真は、当社の今ドキ女子スタッフが、
日本橋のタピオカドリンク専門店に行ったときに撮影したものだそうです。
やっぱりこうやって映えな写真が撮りたくなるんでしょうね。

神山有史

 

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