神山有史
今日も、感染者数が過去最多の
4900人になったというニュース。
そして、さいたま市をはじめ多くの自治体が
成人式の中止や延期を表明しました。
気が滅入ってしまうような出来事ばかりが
続いていますが、
心が温かくなるニュースもありました。
そごう・西武さんのお正月広告のニュースは、
内容の通り、希望を感じさせてくれるものでした。
「百貨店が売っていたのは、希望でした。」
というキャッチコピーに、
一枚のレシートのビジュアル。
そのレシートには、
スーツケース662個、
浴衣 475着、
口紅 76,175本
ベビーギフト 566個など
お客様が購入した商品の点数が
書かれていました。
新型コロナウイルスで行動が制限されてしまった
2020年でしたが、
それでも、旅行に行ける日を夢見て、
浴衣を着て大好きな人と花火大会に行ける日を夢見て、
おしゃれしてお出かけする日を夢見て、
生まれてくる命をお祝いしたい気持ちを込めて、
たくさんの人たちがお買い物をしたということを
伝えてくれていました。
買い物は、単なる商品を購入するという行為ではなく、
その向こうに一人ひとりの夢や希望があるんだ
ということを感じさせてくれました。
相次いで中止や延期になっている成人式ですが、
この成人式に向けて、どれだけの家族が
準備し、吟味し、髪を伸ばし
そして、当日久しぶりに会えるであろう
旧友たちとのかけがえのない時間を
夢見ていたのでしょうか。
2年以上も前から成人式に向けての準備は
進んでいて、直前になって中止や延期と
言われてしまったご家族のお嬢様の気持ちは
どんなものでしょうか。
延期になった成人式に参加する際、
平服での参加を呼びかける自治体もありました。
今さら、平服でと言われたところで
時すでに遅しです。
美容室さんだって
着付け師さんだって
みんなこの日のために
準備を整えてきたはず。
商売といってしまうのは簡単だけど
綺麗になっていくお嬢様や
目を細めてそれを見ている親御さんの笑顔が
想像できるから、
朝早くからみんな頑張っているはず。
Yahoo!ニュースのコメント欄には、
どうせ密で飲んで馬鹿騒ぎをするだけだから
成人式なんてやめてしまえ!という
辛辣な意見がありました。
どうしてこのような心ない発言が
できるのでしょうか。
実際にバカ騒ぎする成人者が
全体の何パーセントいると思っているのでしょうか。
成人者のほとんどは、感染対策をしっかりと
しながら、きちんと過ごす方です。
お店に来店されるご家族を見ていれば、
素直なお嬢さんがほとんどであることは明白です。
京都きもの友禅さんは、
この成人式中止、延期に対して
「成人式に『また来年ね』なんてないから。」
というキャッチフレーズを掲げ、
式が延期になった人向けに、
「成人式が中止になっても、人生の大切な節目となる
二十歳の今この時に、着物に触れてほしい」という思いを込め、
レンタル期間の延長や商品券の提供、
レンタル振袖一式の進呈などの対応をするそうです。
私たちがお取り組みさせていただいている
専門店さんも、
予定通り振袖を着たいと要望する
お客様のために、着付け・ヘアメイクのサービスの体制を
予定通り整えています。
三密を避けなければならないため、
こうした対応に対しても、
色々な意見があると思いますが、
まじめに、誠実に、全力で
成人者やそのご家族のために
心血を注いでいる人たちの努力が
報われることを切に願います。