着物専門店のウェブサイトのあるべき姿とは?

今日、夏季セミナーに参加していただいた方とウェブサイトのリニューアルの打ち合わせをしました。
現在はスタッフさんが振袖名簿を手に勧誘をして、営業活動をしているそうですが、
やはり問題意識として、名簿が使えなくなってしまう前に、
新たな集客手段を確保しておきたいという思いをお持ちでした。

Googleアナリティクスやサーチコンソールでのアクセス解析や主要検索キーワードのランキング状態、
サイトのページ構成などを共有しながら、誰をメインターゲットにどんなウェブサイトにしていくかを決めました。

きもの専門店の主要な新規客獲得方法は、振袖、お手入れ、着付け教室などですが、
これらを一つのサイトで均等に紹介することはなかなかに難しいことです。
ウェブサイトの特性上、ユーザーが使う「クエリ=キーワード」に関する情報が
豊富に掲載されているページである必要があります。ユーザーが辿りついたウェブサイトに、
自分が想像していたのと違う情報が出ていると、

簡単にサイトから離れてしまい「直帰率」が上がってしまいます。
そうなると、Googleは、サイトの評価を下げ検索順位が下がってしまいます。
総花的なサイト構成だと、誰も得しない結果となってしまいます。

しかし、お店とすれば扱っている商品やサービスはもれなく紹介したいというのが人情というものです。
こうしたお店側の要望を叶えてさしあげたいとは思いますが、
そうするとお店が望んでいる見込客からの反応がでなくなってしまうという困った結果になってしまいます。

ウェブサイトの構成の基本は、

「単一のターゲットに対して望まれるコンテンツを提供すること」

につきます。
振袖であれば振袖や成人式に関する情報に徹するということです。

ここに、着付け教室やお手入れ、留袖や訪問着などの商品をたくさん掲載すると、
ユーザーの反応は鈍くなってしまいます。ユーザーの振る舞いは本当に気まぐれで、
ちょっと違うなと感じるだけで簡単に離脱してしまうんですね。

もし、これからウェブサイトを変更したいとか、
ウェブで集客できるようにしたいと考えているのであれば、
総花的な構成にはしないことをおすすめします。

ターゲットとテーマを決め、ターゲットの欲している情報を豊富に掲載する構成にすべきです。

もし、ターゲットにしたい見込客が複数ある場合は、
その数だけウェブサイトを立ち上げるほうが良いです。
振袖、着付け教室、お手入れ、七五三レンタル、写真撮影など。

制作コストや手間は増えてしまいますが、一つにまとめた場合よりもリターンは大きくなります。

加えて、振袖サイトや着付け教室サイトなどはどうしても他のお店と内容が似てしまう傾向があります。
扱っている商品が競合他社さんと同じ問屋さんだったりすると余計に似てしまいます。

同商圏でなくても、同じ県なら同列に比較されてしまうのがインターネットです。

ここで重要なのは、「独自性」をいかに出すかということです。

まず、地域性があります。
地元ならではの慣習や例えばロケーション撮影の会場が
地元に有名なスポットだったりする場合などは、他社と大きく差別化が図れます。

その他、
・色柄のコーディネイトに自信がある
・品揃えが圧倒的に豊富である
・仕立てや加工に自信がある
・髪飾りなど周辺アイテムが充実している
・人柄や対応が親切だとお客様からよく言われる
・しきたりや儀式などに詳しくてお客様から頼りにされている
・着物の知識が深くて広い
・着物を着慣れない方でも、苦しくない着付けができる
・全社員がきもの文化検定の資格を持っている
などお客様にヒアリングすることも含めて自店の強みを明文化することも欠かせません。

きもの専門店にとって当たり前のことでも、
一般的にはとても高度なことだったり、当たり前ではないことも非常に多いです。

例えば、来店してくださったお客様に普通にお茶やお茶菓子を出すのが
きもの専門店の当たり前ですが、このようなおもてなしをする業種は他にそれほど多くありません。

きもの専門店は様々なおもてなしにあふれています。
こうしたことも隠れた強みだと私は思います。(差別化にはなりませんが)

こうした基本的な部分が固まった上で、ウェブサイトのデザインやコンバージョン導線などを
考えて作るのと、とりあえずおしゃれで素敵なサイトを作るのとでは、大きく仕上がりが違ってきます。

急がば回れで、
①ターゲットを明確にし、
②何の情報を発信するのか(テーマ設定)を決め
③自社の強みを明文化

した上で、サイト制作に入っていくようにしたいものです。

 

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