こんにちは、PR現代の三澤です。
今回は、
「目標達成の鍵はアカウンタビリティ——今求められる店長の役割」
について書いていきたいと思います。
2人の現場の店長の物語をエッセー風に書いてみました。
ぜひご覧ください。
『店長が変われば、店は変わる』
静かな朝だった。開店前の店内は、まだ照明の光がやわらかく、ショーケースの中のジュエリーが静かに輝いていた。スタッフたちは、それぞれの準備をしながら、今日の一日を思い描いている。
「おはようございます!」
店長Aの声が響く。彼は時計を確認しながら、今日の売上目標を皆に伝えた。
「今日の目標は40万円です。1人あたり10万円。では、頑張りましょう!」
スタッフたちは一斉に「はい!」と返事をし、それぞれの持ち場へ向かう。しかし、その声の中には、どこか空虚な響きがあった。誰もが数字の大きさを実感しながらも、どうやって達成すればいいのか、具体的な道筋は見えていなかった。
一方、別の店舗。
「おはようございます!」
店長Bは、店内に入るなり、スタッフ一人ひとりに目を配る。
「今日の目標は40万円。1人あたり10万円。昨日みんなで試した提案の仕方、どうだった?」
スタッフたちは顔を見合わせる。
「結構、お客様に響いていましたね。でも、もう少し具体的なストーリーを交えたほうが興味を持ってもらえるかも」
「価格の話になると、一瞬迷われる方が多かった気がします」
店長Bは頷きながら、こう続ける。
「じゃあ、今日は〇〇の商品を中心に提案してみよう。こんなストーリーで話してみるのはどうだろう?」
スタッフたちは、それぞれの役割を意識しながら、売場に向かう。そこには、前向きなエネルギーがあった。
この違いが、売上の差となって現れるのは当然だった。
店長Aの店舗は、毎日淡々と目標を伝えるだけで、スタッフのモチベーションも徐々に低下していった。結果、売上は目標に届かないことが多くなり、原因が分からぬまま「なぜ売れないのか?」という疑問が繰り返された。
一方、店長Bの店舗は、毎日改善を重ねながら、スタッフ全員が同じ方向を向いて進んでいた。個々の成長が店の成長につながり、気づけば売上は安定して目標を超えることが当たり前になっていた。
のべ1500回の面談で見えてきたこと
私は、コロナ禍からの5年間で、のべ1500回以上、店長やスタッフと面談をしてきた。その中で、目標をクリアする店と、そうでない店の違いがはっきりと見えてきた。
目標をクリアする店には、共通する特徴がある。
1. 店長が「具体的な行動」を示している
• 目標をただ掲げるのではなく、「どうすれば達成できるのか?」を明確に伝えている。
2. チーム全員が「共通認識」を持っている
• 何を優先し、どのように行動するべきか、日々の会話の中で共有されている。
3. 毎日、小さな改善を積み重ねている
• うまくいったこと、うまくいかなかったことを振り返り、次に生かしている。
そして、その根本にあるのが 「コミュニケーション」と「アカウンタビリティ(説明責任)」 なのだと感じている。
組織が大きくなるほど、コミュニケーションが問われる
小さな組織では、少人数だからこそ、暗黙の了解で物事が進むことも多い。しかし、規模が大きくなると、そうはいかなくなる。
社内で発生するさまざまな問題の多くは、
1. コミュニケーション不足によるズレや誤解
2. 説明責任(アカウンタビリティ)の不足
この2つから生まれていることが多い。
例えば、店長が「〇〇を意識して売ってほしい」と指示を出しても、具体的な説明がないと、スタッフによって解釈が異なり、思うような結果が出ない。
また、目標が未達だったとき、その理由を誰も明確に説明できなければ、ただ「頑張ろう」という空虚な言葉だけが飛び交うことになる。
だからこそ、日々の朝礼、日報、情報共有のミーティングが重要になる。
「なぜ、それをするのか?」
「どのようにすれば、よりよい結果が出るのか?」
それを、全員が納得できるまで話し合うことが、組織の成長につながる。
これからの小売業に必要な人材とは?
今、小売業の人材採用はますます厳しくなっている。
一方で、企業の本部機能の仕事は、どんどんAIに置き換わりつつある。AIを活用することで、業務の効率化は進むだろう。しかし、販売員の役割は決してAIには置き換えられない。
これからの時代に求められるのは、 「人的魅力」と「AIをうまく活用できる力」を兼ね備えた人材 だ。
単に商品を売るのではなく、 お客様に寄り添い、共感し、最適な提案ができる力 が、より一層求められるようになる。
そして、その土台となるのは、やはり 店長の「具現化する能力」 なのだ。
店長の意識ひとつで、店の雰囲気も、売上も、大きく変わる。
「今日の目標は40万円。では頑張りましょう!」
と言うだけの店長と、
「今日の目標は40万円。そのために、〇〇を意識して提案しよう。昨日のフィードバックを活かして、今日も成長しよう!」
と伝え、行動の指針を示す店長。
どちらの店が、より強く、より成長するかは明らかだ。
『店長が変われば、店は変わる』
店長の姿勢ひとつで、組織の文化はつくられる。
「売上は、数字ではなく、日々の行動の積み重ねで生まれる」
そのことを、日々の面談を通じて痛感している。
これからも、店長、スタッフたちと向き合いながら、 「具体的な行動が成果を生む」 ということを伝え続けていきたい。
そして、一人でも多くの店長が、「具現化する力」を磨き、成長していくことで、より多くの店舗が成功へと向かうことを願っている。(おわり)
次の一歩は相談と実践から!
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