2025年がスタートして1ヵ月と半月ほどとなりました。ここまでの振袖商戦を振り返ってみると、なかなかに厳しい状況ではないかと感じます。昨今の大企業の不祥事やトラブル、税金にまつわる混乱、商品の値上がりによる家計の圧迫とネガティブなニュースが目白押しで、生活必需品ではない着物やジュエリーといった商品の購入について、生活者はより一層慎重になっていると思われます。
Web来店予約獲得ルートの違い
直近の来店予約獲得ルートを調べてみると、成果を出している店舗では、複数のルートから予約を獲得できている傾向があります。
例えば以下のようなルートからの予約です。
・Google での検索
・Yahooでの検索
・ダイレクト(検索後の再閲覧・QRコード等)
・グーグルビジネスプロフィール
・Google広告
・メタ広告(Instagram)
・Instagram
・YouTube
・他サイトからのリンク
逆に予約数・成約数が厳しい店舗の予約ルートは以下の通りです。
・Google での検索
・Yahooでの検索
・ダイレクト(検索後の再閲覧・QRコード等)
実績の良し悪しに関わらず、Google検索やダイレクトからの予約数が圧倒的に多いのはどちらも変わりませんが、予約が獲得できるルートがたくさんあればあるほど予約数が増え、来店数・成約数も増えるので、予約獲得ルートは多いにこしたことはありません。
グーグルビジネスプロフィールとInstagramからの予約に注目
中でも、グーグルビジネスプロフィールからの予約が最近になって増えてきています。特にグーグルビジネスプロフィールの充実を図っているお店において、この傾向が顕著です。内容の充実を図ることには一定の手間と時間がかかりますが、支払うお金が発生することもないので、効率的です。予約獲得効率もダントツに高いのもこのグーグルビジネスプロフィールの特徴です。数千のユーザー数があって、ようやく十数件の来店予約を獲得できるGoogle検索やダイレクトと比較して、グーグルビジネスプロフィールは、100名に満たないユーザー数でも5〜6件の予約を獲得できます。ここに注力しない理由はないと思います。
また、Instagramは長年、振袖の予約獲得には向いていないと思っていましたが、昨年末からInstagramからの予約が入るようになってきました。世代が変わったのか、母親世代がインスタのヘビーユーザーなのか理由は定かではないのですが、予約を獲得できるようになってきたことは確かです。店側とすると、こなさなければならないメディアが増えてしまうことになりますが、成果を出すためには、SNSの有効活用も必須となってきました。
問われる店の姿勢・理念
今年に入ってから来店予約をしてくださるお客様のウェブサイトの閲覧行動が変化してきています。これまで以上に多数のページを閲覧し、情報をかたっぱしから集めようとしているように見えます。あくまでも私の推察ですが、昨今の企業の不祥事などで、企業への不信感が高まっていることと決して無関係ではないと思います。
企業への不信感。
それゆえに、「高いお金を払っても大丈夫なお店かどうか?」を念入りに調査しているように見えます。これまで見ることも少なかったページをじっくり見たり、ページを渡り歩くケースが増えています。
自店の最新ニュースやブログ、グーグルビジネスプロフィール、SNSを生活者の立場から客観的に見てみると、ほぼ宣伝や商品アピールに終始し、ユーザーが商品を入手するメリットや使い方のポイントはほとんど伝わっていない、なんてことになっていたりします。高額商品を扱う専門店だからこそ、なんのために商品を販売し、何を目指しているのか、が自店メディアからきちんと発信できているかを再度検証する必要があります。
現在、振袖対象者は春休みに入るところです。週末だけでなく平日の予約が入るようになってきたなど、ちょっとしたユーザーの変化を見逃さず、誠実なスタンスで情報発信を続け、店を一度も利用したことのないGoogleやユーザーから信頼される姿勢を愚直に発信していきましょう。