二つの事例と「現代広告の父」デイヴィッド・オグルヴィに学ぶ不況時のマーケティング

皆さまこんにちは、PR現代の三澤です。
9月に入っても暑いですね。
近年は、これから台風の季節に入ってきており、
9-10月の天候が心配な季節となってきます。

以前と、今の日本は環境が変わっていて
台風の大きさや被害も大変なものです。
昨年は、千葉県が大変な被害を被りました。

今年も、台風の被害がくるという前提にたっての
計画を立てていかねばと思っています。

 

不況時のマーケティング

 

さて、
今日は、不況時のマーケティングについて考えてみたいと思います。

コロナ禍においては、経費節減のために
通常行っている販促活動、広告活動を
控えている企業も多いと思います。

最初の事例として、

私の担当のある関係先では、
3月以降、例年であれば、折り込みチラシに
経費を100万円ほど使って地域に配布し、
広告・販促活動をしていました。

しかし、今年は、例年のチラシ広告をやめて、
顧客中心の手作りDMを中心に販促活動を行った結果、
数字は前年並みまで盛り返すことができ、
かつ経費もかからずに利益が大きく出たと、
A社から伺いました。

次の事例として、B社は
広告経費として、雑誌広告への掲載が大部分を占めていましたが、
そのメディア別の広告のバランスを検討し、雑誌への広告掲載を
抑え、ネット経由の広告経費の割合を増やしました。
その結果として、コロナ禍においても業績を落とすことなく、
むしろ、昨年よりいい業績を残していると伺っています。

 

二つの事例から見えてくること!?

 

この二つの事例からは、
ともに業績はよかった、またはコロナ禍において
善戦したという結果が見えてきます。

一方は、新規客を取り込むための広告投資をやめ、
既存顧客にターゲットを絞って計画を実施しました。

もう一方は、新規客を取り込むための広告投資は
変えていませんが、メディアを変えて計画を実施した
という違いがあります。

短期目線では、
前者の方が経費が減り、売り上げもあったため
利益は残ったこととなります。

しかし、中長期目線で考えると、
新規獲得のための広告展開を一時的に(コロナ禍により)
抑えたことで、将来の見込み客への宣伝活動や露出活動が減り
未来の購入客が減ってくる可能性もあるのでともとれるものでした。

「現代広告の父」と言われる、
デイヴィッド・オグルヴィが言っていたこと

 

なぜ、こんな話をするのかというと
「現代広告の父」と言われる、デイヴィッド・オグルヴィが
書き記した、広告のバイブル『「売る」広告』を
たまたま読み直していたら、

興味ある事例が記載してあったので
この場を借りて紹介したいと思ったからです。

書籍のP170にはこのように書いてあります。

不況時のマーケティング

不況で利益を維持するための1ペニーでも無駄にしたくないとき、
どうすればだろう? 広告をやめるのか?
まだ、市場に出て間もないブランドの広告を止めてしまえば、
おそらくそのブランドの命脈は尽きる。そして永遠に立ち直ることはない。

過去6回の不況を調査したところ、広告予算を切り詰めなかった企業は、
切り詰めた企業よりも利益が大幅に増加していることがわかった。

(中略)

第二次大戦中、イギリス政府はマーガリンの販売を制限した。
しかし、ユニリーバ(メーカー)は、店の棚からマーガリンが姿を
消している間もずっと自社のブランド広告し続けた。

戦争が終わって多くの商品が復活すると、並みいる
マーガリンブランドの中でトップの座を占めたのはユニリーバの商品だった。
(「売る」広告 OGILVY ON ADVER- TISINGの一説より引用)

とあった。

時代がかわっても、過去の6回の不況を調査した結果から導き出した
不況時のマーケティングということなので、今後も変わらないポイントかもしれません。

今回の事例の結果が出るのは、数年後かもしれませんが
いくらSNSが流行っている、主流はWEBに移行しているといっても

自社や自社製品への広告をやめてはいけない、
販売促進活動は、し続けることが将来への投資になるということもあるのですね。

 

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