こんにちは。
PR現代佐藤省二です。
6月に入りました。
関東地方も今週末に梅雨入り間近のニュースも入ってきました。
早い?とも思いましたが、もうそんな季節なのですね〜。
さて、今回は「非正規雇用」について考えてみたいと思います。
先日(2023年5月23日)、NHK朝の情報番組「あさイチ」で、特集「“なぜ私たちは…”非正規雇用の悩み」が放送され視聴しました。
給与、働き方、休暇、待遇、どれをとっても実際の現場では改善されずに旧態依然としていることが多いようです。
現在、日本の非正規雇用は約2,100万人で全体の約4割(37%)。そのうち女性の割合は7割にのぼっています。
「15 年間給料が上がらない」
15年間飲食店でパートとして働いている方は15年間給料が上がらない、10年以上時給は1円も上がっていない、新しく入った人のほうが時給が高いなどの意見がありました。
現在、正社員の平均年収は約508万円ですが、非正規雇用などの正社員以外では約198万円とのこと。
仕事の技術が上がっても最低賃金レベルの基準から一向に上がらない、手当がつかないなどの理由があるとのことで、根本の要因は家計補助的に仕事をしているという認識が未だにあるため。
これは、同じ仕事をしている場合には「同一労働同一賃金」に違反しています。
ちなみに、厚生労働省では「同一労働同一賃金ガイドライン」、「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」、「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」が準備されていますので、ぜひ一度目を通すことをおすすめします。
「同一労働同一賃金ガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html
「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」https://www.mhlw.go.jp/content/000656231.pdf
不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアルhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03984.html
番組内では次のような内容も取り上げられました。
「休みを会社が決める」
契約社員の休みを会社に決められる、有給休暇も会社に決められる。
就業前30分働いていても給料に反映されない。
これは完全に法律違反ですね。
とはいえ、それを直接抗議するのは大変勇気がいることです。それは、解雇や雇い止めの不安があるからという意見が圧倒的に多いからです。
「雇い止め」の問題
雇い止めとは、有期労働契約において、事業者側が契約の更新を拒否し、契約期間満了によって雇用契約を終了させることです。雇い止めについては「雇止め法理」(労働契約法第19条)により一定の場合は無効とされるなど、労働者保護の観点からさまざまな規制が設けられています。
さらに今回の特集内で最も印象に残ったのが「非正規公務員」の問題でした。
現在、全公務員の約4割が「非正規公務員」で、そのほとんどが「会計年度任用職員」であり、原則1年ごとの契約で働いているそうです。
しかも契約更新は2回まで。同じ職場には最長3年までしか勤められません。
これは恥ずかしながら知りませんでした。
我々民間では労働契約法により5年勤務すれば、その後は労働者が申し込めば無期契約に移行できるルールがあります。
厚生労働省「労働契約法改正のポイント」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/h240829-01.pdf
実質的な「雇い止め」が非正規公務員の雇用で行われていることに大変驚きました。習得した技術も経験も活かされずに不安定な立場の仕事というのは厳しいですね。
収入も上がらず、雇用も不安定な中では離職率も高くなり、逆に人手不足を招いてしまうのもうなずけます。
結果として公共サービスの質が低下していくわけですから、なんとも割り切れない制度です。
今回の感想として、日本の労働問題はなかなか前に進んでいないようだと感じました。
いまだに社員からの差別もあるとの意見も多数ありました。
時代的に大きく矛盾していることが多いようです。
番組で紹介していた相談窓口は「労働条件相談ほっとライン」(厚生労働省)
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/hotline/
「労働トラブルホットライン」(日本労働弁護団東京支部)
https://www.rouben-tokyo.org
個人でも相談できる「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」
https://cunn.online
今回の視聴から、あらためて厚生労働省の資料に目を通しました。
資料が多くて驚きました。
せっかくなので紹介しておきます。
厚生労働省「確かめよう労働条件」
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/?
この機会に「非正規雇用」の契約社員、パート、アルバイトの現状について、今一度見直しをされることをおすすめします。
法律もどんどん変わっていますので、1年ごとに自社の制度、法律改正のチェックが必要だと感じました。