【インタビュー2】日本の染織文化を発信! 〝西陣織テキスタイル〟を創造「株式会社細尾」(京都市)細尾真孝社長

上の写真:「株式会社細尾」(京都市)細尾真孝社長

<企業情報>
社   名   株式会社 細尾
代 表 者   細尾真孝氏
創   業   元禄元年(1688年)
設   立   1960年(昭和35)
本   社       京都市中京区両替町通姉小度路下る柿本町412
取扱 商品   帯、きもの、テキスタイルの企画・製造・卸・輸出
ウェブサイト    http://www.hosoo.co.jp

「株式会社細尾」(京都)は、8月に開かれた株主総会で細尾真生社長が会長に、後任には細尾真孝常務が社長に就任しました。1978年生まれの42歳。人々の生活様式や価値観が大きく変化する中、「ものづくりの本質を新たな視点で」とらえ直し、「きもの文化を未来へ繋ぐことを企業使命」とする同社。「日本の染織産地、染織作家、工房と連携しながら西陣織を世界に通用するテキスタイルの創造」を目指しています。これを機に細尾新社長に話をお聞きしました。(聞き手・文:西本俊三)

 

〝西陣織テキスタイル〟を海外へ

――昨年、「工芸建築」を象徴した本社ビルが完成し、ちょうど1年になります。今年はコロナ禍という状況の中での社長交代になりましたが…。

「本社をイノベーションするに当たっては、新社屋を日本の染織文化の発信拠点として位置付けております。本業であるきものや帯を中心に西陣織の技術、素材を用いたテキスタイル、ホームコレクションなどを手がけていますが、今回の新体制については3年前から準備してきて、たまたま今年はコロナ禍の中での社長交代になりました…」

――細尾社長が入社されたのはいつですか?

「2008年10月です。大学卒業後、実は音楽活動をメインにやっていたのですが、その後、大手ジュエリー会社に入り、デザイン開発や商品企画、生産管理、マネージメント、物流などさまざまなことを経験させていただきました。3年過ぎた頃、家業が西陣織を海外へ…という話を聞き、面白いと思いました。西陣織テキスタイルというクリエイティブなところに新しい可能性を感じて2008年10月、『細尾』に入社しました」

日本の染織文化を世界に発信する拠点

職人に敬意を払い地位を上げる

「伝統の染織文化の素晴らしさは言うまでもありませんが、その伝統を守るためにはイノベーションが重要になると思います。弊社では2010年に、世界のテキスタイルの標準幅である150㎝幅の「西陣織」を織ることができる織機を独自に開発し、以来、世界のマーケットに向けて西陣織による革新的なテキスタイルを提供してきました。

最初は1台の独自開発の織機からスタートし、主にラグジュアリーブランドのインテリアに向けたテキスタイルを作っていました。

その後、毎年織機を増やし、現在は12台の織機が工房で稼働しています。

また当初はベテランの職人3名でスタートしましたが、織機を増やすと同時に、職人を募集、育成し、現在では20代30代を中心に、15名の職人がおります。ファッションデザインをやっていた方やエンジニアをしていた方などどちらかというとクリエイティブな仕事をしている方――日本のいいものを世界に発信していきたいという人材が入って来てくれています。

また、営業でも、オーストラリア人や日本人ですがニューヨークで生まれ育った方など、多様な人材が弊社に入社して来られる。そういった方々と話していると、やはり西陣織をはじめとする日本の伝統工芸の美は時代を経て脈々と受け継がれていることを感じますし、その日本独自の技法を世界に伝えていきたい。

そして、そのためにも『美』を生み出す職人に敬意を払い地位を上げていきたい。そして、伝統的きもの文化をしっかり守りながら、西陣織による革新的なテキスタイルを世界に広げていく。日本文化の美を新しい形で広く世界に伝えていくのがミッションだと思っております」

 

本物の伝統工芸にこだわる

「事業としては、海外のラグジュアリーなホテルや著名なブランドに採用されるなど一定の成果を出しておりますが、今後も西陣織テキスタイル、染織文化を多くの人に伝えていきたいという思いで昨年、地上5階で構成される本社社屋を染織文化を発信する拠点「HOSOO FLAGSHIP STORE」としてリノベーションいたしました。

1階は卓越した職人技が創出するテキスタイルの美しさを最大限に生かした、「HOSOO」のホームコレクションがご覧いただけるリテールストアです。家具、カーテンは、「HOSOO」の150種類に及ぶコレクションの中からテキスタイルをお選びいただくパーソナルオーダーに合わせて、職人が1点ずつ仕上げます。

1階奥には「HOSOOLOUNGE」を併設し、季節限定のスイーツやお茶、シャンパーニュなどを、味わい豊かな伝統工芸の器でお楽しみいただけます。2階はギャラリースペースの「HOSOOGALLERY」。「HOSOO GALLERY」では、染織を歴史と文化が凝縮された「メディア」として捉え、アートやデザイン、工芸、サイエンスなど、多角的な視点から染織を扱う企画展示を不定期に開催します。3階はきものショールームとなり、こちらは人間国宝や日本工芸会正会員、日本各地の染織作家・工房が手がける逸品から、新しい時代の感性をあらわす若手作家たちによる良品まで、豊富に取り揃えております。4階はオフィス、5階はホールとして様々なイベントや染織にまつわる勉強会を行っております。

「HOSOO FLAGSHIP STORE」では様々な角度から染織文化を捉え、世界に発信する拠点を目指しております」

 

2階ギャラリースペース「HOSOOGALLERY」

 

 

 

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