写真:〝きものYouTuber〟山縣かほりさん
〝きものYouTuber〟の山縣かほりさん(東京、「B・ゆらぎ」代表、http://byuragi.jp/)は、〝365日きものアドベンチャーかほり〟のネーミングでYouTubeを開設し、きもの文化の素晴らしさを国内外に発信しています。
山縣さんは山口県周南市生まれ。1994年「ケイズオフィス」を設立し、きものデザイン、制作、販売を中心にオリジナルブランドをプロデュース。同年7月、「きものを着て歌舞伎を楽しむ会」を発足し、毎月の歌舞伎観劇や京都旅行を実施するなどきもののライフスタイルコンサルタントとして活躍。YouTubeについて話を聞きました。(聞き手・文:西本俊三)
呉服業界のためにお伝えしたい
――YouTube を始めた目的についてお願いします。
「私は、毎日きものを着るようになって28年になります。きものを着ていると日常生活で様々な良いことが起こりますし、きものを着ていることで学んだことが沢山あり、きものに育ててもらったと言っても過言ではありません。残念なことに、日本全体では、きものを着る方は減ってきています」
「日本文化は、きもの無くして成り立たない上に素晴らしい伝統技術の継承者がなくなり途絶えていくのは本当に寂しさを感じました。呉服業界の為に私一人では何もお役には立つことはできませんが、きものを着る楽しさや素晴らしさをお伝えすることでしたら誰よりできる自信はございましたので、きもの好きの方だけでなく、きものを着ることに抵抗のある方や、きものには縁がない海外の方々にもきものの素晴らしさをお伝えしたいと思いYouTubeを始めることにしました」
15カ国の翻訳字幕版を編集
――今後目指していることは?
「今は、着付けや24節気のきものなどをご紹介していますが、これは全て英語字幕版とフランス語字幕版も制作しています。また、全くきものに興味がない方々へは、今流行りのアニメ『鬼滅の刃のきもの』の事を話している番組を作りました。現在、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ヒンディー語など15カ国の翻訳字幕版を編集しています」
「なぜ、海外へ発信するかと言いますと、今までどこにも英語やきちんとした翻訳をしたきものについての番組がなかったからです。フランスではきものは、人気があるとはお聞きしますが情報はどうなっているのかと不思議に思っていました。これを機会に、今は取材もなかなかいけませんが、織元や染め工房や作家や職人の方々や問屋さん、呉服屋さんのことも世界に発信したいと思っています」
――反響はいかがですか?
「昨年12月17日に最初の配信をして約3ヶ月と少しですが、お陰様でチャンネル登録者が1万人を超えました。たくさんの方々がYouTube を始められる中、本当にありがたいと思っております。一人でも多くの方々にきものの素晴らしさをお伝えできる番組を目指してまいりたいです」