(株)ジュリル代表 橋本佳代氏を講師に迎え「JMG夏の定例研究会」を開催
宝飾・時計・メガネ、きもの、寝具に特化したマーケティング・企画広告会社「㈱PR現代」(東京・日本橋)は、主宰する宝飾小売業経営者が集うマーケティング研究会「JMG(ジュエラーズ・マインドグループ)」夏の定例研究会を6月12日(水)リアル&オンラインにて開催しました。
今回はメイン講師に、(株)ジュリルの代表であり、JC1級ジュエラーである橋本佳代氏を迎え、同社が経営する「ポンデュプレジール」にけるファン客創造マーケティングを学びました。
ここではその一部をダイジェストで紹介いたします。(文:嵯峨紀子)
JMG夏の定例研究会「橋本佳代 講師による講演会 『ポンデュプレジール』ファン客創造マーケティング 」
・日時:2024年6月12日(水)14:00-17:00
・開催形式:オンライン&リアル
・プログラムはこちらから
「JMG」会⻑あいさつ
(有)花路「ジュエリーハナジマ」代表取締役社⻑ 花島路和
業界が目まぐるしく変わっています。毎回新しいお客様にフォーカスする必要があります。宝石販売では、一度お会いしたときの印象が大切です。
1:金属アレルギーが不安だという新規のお客様がいらっしゃいます。その方へお応えできる準備体制を整えましょう。
2:地金の買い取りに関しては、業者によって金額に隔たりがあります。3社から見積もりをとることをおすすめします。
3:ミネラルルショーやヤフオクを利用していた新規のお客様がネットを見て当店にいらっしゃるケースが出てきました。そのような方はお電話での問い合わせがとても多いです。このような今までと違うタイプのお客様は宝石についても詳しい知識をもっている方が多いです。新たなお客様と出会えるよう、ホームページやGoogleビジネスプロフィール、各種SNSの充実を図りましょう。
DXトピック「生成A Iが凄い」
デジタルジュエリー®︎協会 主宰 佐藤善久 JMG顧問
アパレル業界のA I事情について。中国のA I、話題になったしまむらのA Iなど、生成AIで作成した人物画像はタレントのスキャンダル問題もなく、またモデル撮影のコストを抑えられるなどのメリットがあるので大いに活用をおすすめします。ChatGPTは回答が素早く、またさまざまな経営判断をする際の選択肢も広がります。
『JJAジュエリーデザインアワード2023』ではCADを活用したデザイナーがグランプリ受賞しました。YouTubeでは『日本ジュエリーの夜明け』のタイトルでその様子が公開されています。
日本は人口減の状況なので、地元密着だけでは乗り切れず、ウェブ戦略によりジュエリーリフォームのニーズを獲得できる体制が大切です。
デジタルジュエリー®︎を用いることで、ペットをデザインしたジュエリーを制作することができます。写真から半立体のK18ペンダントトップ(6.5g)22万円で提案し、複数注文が入ってきています。亡くなったペットの思い出が蘇り、お守りジュエリーとして身につけることもできます。
デジタルジュエリー®︎の実際について
プロ講座 受講(株)ボンボン堂 金田絵美子 氏インタビュー
デジタルジュエリー®︎でブライダルリングを担当。フルオーダーの幅が広がり、既存のデザインのちょっとした変更が容易にできるようになりました。初心者にも思っていたより取り組みやすく、高価なイメージのオーダーメイドがかなりリーズナブルに提供できるようになりました。お客様へ自信を持ってプレゼンできるのが良いところだと思います。
宝飾業界情報
⼀般社団法⼈ ⽇本宝飾品貿易協会 代表理事JMG顧問 深澤 裕
ジュエリー議員連盟総会の取材報告
ジュエリー議員連盟総会が開催されました。長堀会長から議員連盟への要望事項は3点。技能五輪への支援、海外展示会へのジャパンブランド支援、ロシア産ダイヤ規制の手続き緩和です。
ジャパンパールフェアの現況
来場者が少なく、潮目が変わったと感じます。中国からの来場も激減しました。在庫のダブつき、価格高騰などから中間在庫が捌けるまでは足が遠のくのではないでしょうか。ただしこれまで高値で仕入れているのでしばらく小売り段階でも高値が続くと思います。I J Kや山梨ジュエリーフェアまでは活況でしたが、今後は国内の小売状況においても少し価格が下がり始める傾向が出てくると思われます。ブライダルジュエリーの販売では店によって明暗が分かれています。
◇ゲスト講演◇
『ポンデュプレジール』におけるファン客創造マーケティング
講師︓株式会社ジュリル 代表取締役 橋本佳代 ⽒
(株)ジュリルの代表、JC1級ジュエラーである橋本佳代氏より、同社が運営する「ポンデュプレジール」におけるファン客創造の実際について、在庫を持たず広告費もかけず、丁寧な顧客創造の導線づくりとファン客への対応などについてご講演いただきました。ここではそのごく一部を紹介します。
1:時代背景や消費傾向の変化について
「買い物の楽しさ」が変化し、2000年代からは賢い買い物が意識されるようになりました。現在は情報過多で買い物がストレスになってしまい、結局わかりやすいスペック買いの傾向が強くなっていることから、「ジュエリーのある生活を指南してくれる人(店)」、「厳選された選択肢を提案してくれる人(店)」を求める傾向にあると思います。当社ではその志向に沿うご提案を心がけ「新規のお客様がファン客になってもらえるような取り組み」に注力しています。
2:集客・教育・ファン化へ
YouTubeを用いてお客様のお役に立てるような情報の発信を続けてきました。またブログやインスタグラムからホームページを見にきてくださる方は、ご自分で調べて見にきてくださるので、その時点で実はとてもありがたい大切なお客様であるということになります。
ブログの内容は、ジュエリーを手にする意味や制作例、社会貢献に関することなどです。インスタグラムのストーリーでは素の自分を見てもらい親近感を持もっていただく工夫をしています。何人に届くかではなく誰に届くかを大切にしています。
3:ファン客創造の実際
YouTubeライブやLINEでの告知などに販売活動を行っていますが、「販売しないYouTubeライブ」と「オンライン受注会」を使い分けています。展示会・受注会では、小規模な予約制のスタイルでありがたいことに成約率はとても高いです。
4:サービスや信頼はお店の大切な価値
サービスや信頼は実はそれ自体とても大切な価値で、無料ではなく有料のものだと捉えています。ジュエリーは運命の出会いで衝動買いすることの多い商品ですが、それに頼りすぎないことを意識しています。リピートし、ファンになっていただけるような対応、選品、情報発信にお客様が信頼を寄せていただけるような取り組みを心がけております。
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橋本さんは、ジュエリーリフォームを通じてお客様の思いを叶える、寄り添うことが大切だといいます。「完成したジュエリーを手にしたらお客様の叶えたいことは何でしょうか?」と伺うようにしているのだそうです。
講演のあとには1時間以上かけて参加メンバーと質疑応答・意見交換を行いました。「ポンデュプレジール」とはフランス語で「歓びの架け橋」という意味だそうです。同社のファン客づくりのポイントを学ぶことができた貴重な1日となりました。メイン講師の橋本さんはじめご参加のJMGメンバーの皆さまおつかれさまでした、ありがとうございました。
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次回JMG定例研究会は8月7日(水)「GSTV見学会」を開催します。天王洲アイルの本社機能やスタジオ、ラボなどを見学した後、意見交換を行います。また10月9日(水)に秋の定例研究会では「『さすがや』に学ぶ買取マーケティング(講師:佐藤貴夫社長)」を開講、オブザーバー参加のご相談も受け付けております。
JMGは宝飾小売業のマーケティング実践研究会です
(株)PR現代が主催する「JMG(ジュエラーズ・マインドグループ)」は花島路和氏(ジュエリーハナジマ代表)を会長に、48社が加盟する宝飾小売業のマーケティング実践研究会です。一商圏1社(市区村ごと)が加盟でき、隔月での定例勉強会や情報交流、個別相談、WEBや販促物などの会員割引制作などをを行なっています。詳しくは、こちらJMGのホームページ をご覧のうえ、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。