今日も猛暑日な一日でした。
昨日ほどの湿度はなかったものの、
日差しも強く外に出っぱなしだと体力を思いっきり消耗してしまうレベルでしたね。
夕方以降、私の地元では雷が頻繁に轟いて、子供達は恐れおののいていました。
さて、今日は教えてもらったばかりの言葉「カスタマーサクセス」についてです。
色々と調べてみるとこの「カスタマーサクセス」という言葉はとても有名な言葉のようです。
ネットで検索しても多数のページが見つかります。
「カスタマーサクセス」は、文字通り顧客の成功を意味しているのですが、
私はこのように理解しました。
顧客が願っている成功を実現するために、自社の製品やサービスを提供し続け、
最終的に顧客が成功するまでサポートすること。
です。
この話を聞いて、すぐに思い浮かべたのは、ライザップさんのことでした。
ライザップはダイエットのためのエクササイズを提供する会社です。
商品は、痩せるためのスキルやサポート、ノウハウやカウンセリングですよね。
これらを顧客に提供することで対価を得ているわけですが、
顧客の目的は痩せることではありますが、
その奥そこに、なんらかの願いや希望があって痩せたいと考えていると思われます。
私もいつのまにか体重が20代・30代の頃から20kgも増えてしまい、
これはやばいなと思っています。
でも、単純に痩せることが目的ではなく、
別のところに痩せたいと思う理由があります。
ライザップさんは、顧客が何を願っているのか(カスタマーサクセス)をきちんと
一人ひとりに聞いたり、調べたりして、それを実現するためにダイエットというメニューを
提供しているっていうことだと思います。
だから、ゴルフだとか英会話だとかっていう発想になるわけですね。
私が教えてもらった「カスタマーサクセス」についての本の中には、
例として、サザエさんに出てくる三河屋の三平さんをあげていました。
そして、その本質として
「商いは買っていただいた後が大切」という基本精神こそが重要だとありました。
この「カスタマーサクセス」について考えるとき、
では着物ではどういうシナリオを描くべきかというところで立ち止まってしまいます。
着付け、ということであればわりと考えやすいと思います。
着付けというノウハウを提供するのが着付け教室ですが、
顧客は、着物を着られるようになることをゴールにしてはいないと思います。
自宅にたくさん譲られた着物があるから、それを活かすために着付け教室に通うという
人もいるでしょうし、晴れ舞台に立つ機会がある人であれば、
その舞台に胸を張って出るために着付けを習うという人もいるでしょう。
また、歌舞伎や海外旅行など特別な場所へ行くときには着物を着たいからという方もいるでしょう。
こうした顧客の願いをしっかりと把握し、それをサポートするというスタンスや心構えをもって
着付けをお教えするということが大事なのだということだと思います。
では、着物を販売する小売店として考えた場合はどうなのでしょうか。
おそらく、この場合も着付けと同様、
顧客の潜在的な願いを叶えるために、着物販売を通してサポートするということになると思いますが、
とても難しいのは、
潜在的であっても、着物が欲しいと考えている人は非常に少ないという現状です。
だからこそ、顧客一人ひとりを徹底的に理解するために、
コミュニケーションを密にし、収集した情報をきちんと蓄積し、分析していくというプロセスが
とても大切だと思います。
カスタマーサクセスというキーワードを調べれば、
必ず辿り着くのが、顧客一人ひとりを深く理解するというプロセスです。
顧客のことをよく知らなければ、
何を願っているのか、何を成功と考えるかを推測することもできないからです。
スティーブ・ジョブズさんがiPhoneを開発したとき、
顧客の誰からも、こういうことができる電話が欲しいと言われていないのと同じく、
顧客を理解するために徹底的な分析をすることで、
顧客自身が気づいていない「成功」を見定めて、
それを提案することができれば、
着物販売も付いてくるのだろうと思います。
当社が以前から推進している「たんすコンシェルジュ」活動も
ある意味では、こうした成功の提案のひとつかもしれません。
たんすの中をお客様と一緒に広げて、一枚一枚吟味していくと、
そこで出会った懐かしい着物と
販売員さんの提案がマッチすると、
「それを着てどこどこへ行くと楽しいかもしれない」という願い(=実現したい成功)が芽生えます。
これは、実際に「たんすコンシェルジュ」の現場で私自身が体験したことです。
なので、着物専門店の場合のカスタマーサクセスはちょっとほかの業種よりも
難しいと思いますが、
1、顧客一人ひとりへの深い理解。(そのためのデータ蓄積と分析を踏まえて)
2、そして、そこから顧客が目指すであろう成功を創り出すこと。
3、商品提案やコーディネイト提案、販売、着付け支援などを踏まえた購入前・購入時・購入後のサポート
というステップになるように思います。
とくに2の成功を創り出す=ニーズを創出するというところがとても難しいですが、
これが実現できれば、
着物は売れない、売りにくい
という風潮は確実に払拭できると思います。
以前、本ブログでも紹介させていただいた
前橋の伝承展は、ある意味、ニーズの創出につながる取り組みだと思います。