こんにちは、PR現代の神山です。
今日は最近何かと話題のGA4についてお話ししたいと思います。
気になっている方も多いと思いますが、現在利用中のGoogleアナリティクスの画面上部に、アラートの文章が常に表示されるようになりましたよね。その文章は、「2023 年 7 月 1 日より、ユニバーサル アナリティクスでは標準プロパティで新しいデータの処理ができなくなります。それまでに Google アナリティクス 4 プロパティに切り替えて設定を進めておきましょう。」という不気味なもの。日頃アナリティクスを利用している人にとっては、とても気になる内容です。また、言い回しもちょっとわかりにくいので、あまりアナリティクスに馴染みのない方にしてみれば、書かれている意味を正確に理解しにくいものです。
いつもはGoogleアナリティクスとかGAとかって呼んでいたものと、ここに記載されているユニバーサル アナリティクスが同じものなのか違うものなのかも疑問に感じてしまったり。
ユニバーサルアナリティクスとGA4の違いって?
Googleアナリティクスの現在利用中のバージョンをユニバーサルアナリティクス(以下UA)と呼びます。2014年にリリースされ、改良を加えつつ進化してきました。普段はGoogleアナリティクスとかGAとかって呼んでいるので、ちょっとなじみのない言い方です。そして新しいバージョンのことをGA4(Googleアナリティクス4)と呼び、これは2020年にリリースとなりました。
UAとGAは、似て非なるもので互換性がありません。開発された時の時代背景に大きく影響を受け、設計思想が異なります。UAは、グーグル側の論理でいえば、検索連動型広告(リスティング広告)を上手に活用することを前提に作られたそうです。検索したユーザーがどんなキーワードを使い、どんなページをどれくらい見たのか? などを掴むのに適しています。
またUA は「ページビュー」を基準にした計測になっていて、1ページ単位で、何セッションだったのか? 直帰率はどれくらいか? 予約数は? といった計測を行います。
それに対して、GA4は、ディスプレイ広告を最適化するために設計されたと言われています。検索連動型広告は主に、ニーズが顕在化したユーザーを集客するのに適しています。例えば「振袖レンタル+地域名」と調べる人は、振袖レンタルに関してすでに関心があるわけです。しかし、ディスプレイ広告の場合は、偶然その広告を目にしたという人が多くなるため、ニーズを明確に持たない潜在化ユーザーに対して有効です。
またもやグーグルの論理ではありますが、顕在化したユーザーに対して直接的な広告アプローチを行うだけでなく、潜在ユーザーに対してもディスプレイ広告を利用してアプローチしていこうよ! という発想です。グーグルにとってよりたくさんの広告費を使ってもらうことを狙っているわけです。
さて、前述の通り、UAが「ページビュー」を基準にした計測であるのに対してGA4は、「ユーザー」を基準に計測するという設計思想です。
今のユーザーは、ウェブサイトだけでなくSNS、アプリなどさまざまなメディアを色々使って、商品購入や予約といった行動を起こします。UAの場合、アプリを使った人がその後ウェブサイトを利用して予約した場合は、別人として扱わざるをえませんでした。しかし、GA4の場合は、デバイス・サイト・アプリなどをまたいでも同一のユーザーとして計測することができるので、ユーザーをより深く理解することができるようになりました。
これは、来店予約をしてくれる人はどんな人なのか? どのような行動を取る人が来店予約をしてくれるのか? といった疑問を持っている我々のような人間にはとてもありがたいことです。
GA4を設置したら、UAは必要ないのか?
さて、お取り組み先からこのGA4についてのご質問やご相談をたくさんいただくのですが、その一つにUAはもう必要ないのか?というのがありました。結論から言ってUAはまだまだ必要だと思っています。
先ほども書いたように、両者は設計思想が違うので、長所と短所がそれぞれにあります。例えば直帰率はGA4では計測できなくなりました。また、例えばユーザーという項目一つをとっても、その定義が異なるため、GA4を設定したからといって、UAをもう見ないということは考えられません。
GA4を設定しても両者を併用して分析することのほうがメリットが大きいと思います。
GA4設置のタイミングは?
また、ご相談には、GA4はいつまでに設置すべきか? というものも多くいただきます。UAの計測停止は2023年の7月1日なので、まだ1年以上の猶予があります。なので最悪は来年の6月30日までに設置すれば良いということになりますが、多くのWeb解析士が言うのは、来月中にGA4を設置するのが望ましいというものです。
というのも、来年7月1日になった段階で、今年の7月1日のGA4のデータが計測できていれば、昨年対比が出せるからです。
UAでもGA4でも、Googleアナリティクスを使って分析するという行為は、時期別の比較や数値の変化を見ることが基本です。そのために、UAでの計測ができなくなったときに、比較できる数値があるほうが良いということですね。
PR現代でも順次、お取り組み先のGA4設定を進めています。
これまでは計測できなかったデータを可視化することができるので、今までは見つけられなかった可能性や来店予約や購入に至る最適なルートづくりなど、設定しながら研究を行っていきます。