10月も半ばとなり、年末が近づいてきました。
消費税増税前は、振袖をはじめ催事での駆け込み需要で
昨年を超える売上をあげたお店も多かったようです。
しかし、メディアの発する情報とはウラハラに
業界内外で景気の良い話は一向に聞こえてきません。
それゆえに、買ってくれる可能性の高い、
もしくは話がしやすいお客様に繰り返し勧誘し、
購入してもらうというスタイルが顕著になってきています。
今はそれで成果が出るとしても、
どれだけこの状態が続くのかは分かりません。
1年後かもしれないし、5年後かもしれない。
そんな状況を少しでも打破するために、
勧誘とは別に、種まきのコミュニケーションを
今始める必要があると感じます。
年末が近づいているので、
この一年を総括する意味も込めて、
顧客名簿の精査をしてみてはどうでしょうか。
スタッフ一人ひとりの顧客カルテはどうなっているでしょうか。
担当しているお客様は何人で、
そのうち何人のお客様と定期的なコンタクトを取っているでしょうか。
また、ここ1年、2年で来店されなくなったお客様は
どれくらいいるでしょうか。
お店の誰もが顔を知っている馴染みのお客様を除き、
それ以外のお客様とのコンタクト状況を
担当者ごとにチェックしてみてください。
お話を伺うお店のほとんどで
馴染みのお客様以外の方とのコンタクトはほぼ
なされていないという状況でした。
もし仮に、今のVIP客が10人いなくなってしまったら
どれだけ売上が落ちてしまうでしょうか。
VIPのお客様は年間の購入金額が大きく
一人減ってしまっただけでも大きな痛手となります。
もし新しいお客様を作ったとしても、
その一人分の穴埋めは一筋縄ではいきません。
そういう危機感をお持ちのお店では
いろいろな対策を打っていると思いますが、
昨日伺ったお店では、
ありがたいことに当社発行の着物手帳をご無沙汰のお客様に
お配りするツールとして活用するそうです。
手ぶらでは、そういうお客様との会話が弾まないので、
話のネタにもなり、
着物情報が詰まっている着物手帳が最適なのだとか。
年末が近づけば、カレンダーなどを持って
お客様まわりをするお店も多いと思いますが、
単なる年末のご挨拶と捉えずに、
ご無沙汰しているお客様の現状を把握し、
着付け教室やお手入れなどの接点を作るための
対話と考え、
一人ひとり丁寧なコミュニケーションができる準備を
してみてはどうでしょうか。
顧客カルテや顧客管理システムのデータ分析すると、
どれくらいの余力があるのか、もしくはないのかが
より明確になると思います。
売上ランキングだけをみるのではなく、
RFM分析と呼ばれる
買上期間・頻度・売上金額の掛け算で導き出される
顧客ランキングも確認してみてください。
通常RFMでは、金額より頻度を重視します。
例えば同じ100万円の買上金額でも
一度に100万円を購入してくれたお客様より
3回購入で合計100万円を購入してくれたお客様のほうが
優先度は高くなります。
いままで以上に詳細な顧客分析を行い
次に仲良くなるべきお客様は誰なのかを
明確にしてみる作業を最低でも年に一度行いたいものです。