JMG 2023 新年度フォーラムダイジェストレポート

JMG新年度レポートダイジェストPR現代

こんにちは、しもじんこと、PR現代  代表の下島です。
今回は、先週2月8日に開催した「JMG 新年度フォーラム」のダイジェストレポートをお届けします。

当日は50名を超える多くの方にご参加いただき心から御礼申し上げます。
レポートは弊社 ジュエリー事業部 ライターの嵯峨紀子が担当しました。

NEXT SHOP2023ー物価上昇時代も選ばれる宝飾店を目指してー

2023年2月8日(水)、JMG新年度フォーラム「NEXT SHOP 2023」ー物価上昇時代も選ばれる宝飾店を目指してーが開催されました。第1部は(株)PR現代ウェブ制作開発室の高本恵未によるGoogle 研修セミナー、第2部本会では多彩なゲストを招いての密度の濃い経営対策勉強会となりました。

第1部 Google 活用研修セミナー

講師:(株)PR現代ウェブ制作開発室 高本恵未

「Googleアナリティクス4の基本解読&Googleマップ活用研修セミナー」

2023年7月1日から切り替わる、Googleアナリティクス。現在のUAからGA4への切り替えに伴う管理画面の大幅変更についての解説と、「GA4導入・活用支援サービス」について紹介しました。

2022年の秋に一新された地域マーケティングの重要メディア、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の使用方法(口コミ誘導、商品登録、最新情報登録)についても解説し、Googleが無償で提供しているウェブマーケティングツールの有効活用を促しました。

Googleビジネスプロフィール
・従来とどう変わったか
・パフォーマンスチェックベスト5
・定期的にチェックして自店のサイトユーザーの動向を知る
・口コミ投稿を増やすコツ

Googleアナリティクス4
・より詳しく正確に分析できるように
・有効な効果測定
・コホート分析でリピーターを育てる

日々進化するGBP、GA4を最大限活用するためにも見慣れることからアプローチを始めておくことを勧め、日々変化するコメントの規制傾向などについても解説しました。

第2部 本会  JMG新年度フォーラム

年頭所感「2023年、宝飾専門店がいま大切にすべきこと」

 JMG 会長 花島路和

2023年は宝飾業界が大きなターニングポイントを迎えると予測。その一つとして夏に開催されるRX JAPAN主催の一般客向けサマージュエリーフェスタで、業界のモラルが問われるであろうことを挙げました。また、多発する宝飾店襲撃に備え、強盗対策と保険の強化を訴えました。締めくくりとして自分たちが必要とされる理由や小売店が存続する理由を明確にし、仕事の喜びと誇りを再確認しようと結びました。

JMG 花島路和会長から「宝飾小売業にしかできないこと・21の提言」
1:コーディネート
2:メンテナンス
3:下取り(買取)
4:買い替え
5:オーダー
6:リフォーム
7:お買い物の楽しさ
8:高級感
9:着ける場の提供
10:安心保証
11:オリジナル商品
12:どのメーカーも取り揃えられる
13:病院でいえば総合診療科
14:宝石の楽しさの普及や提案
15:高い接客スキル
16:高い倫理観と魅力ある人柄
17:レベルの高いおもてなしとチームワーク
18:商品情報開示能力の高さ
19:宝石を通して喜びを提供する志の高さ
20:顧客第一主義 自分より自店よりお客様を大切に想う
21:新品と中古などきちんと分類し販売する倫理観

業界動向「2023年 宝飾業界 気になるトピックベスト3」

 JMG顧問 深澤 裕

現在取りまとめている2022年の市場規模では1兆円を超えることは確実で、宝飾市場は回復基調であると総括。しかし日本市場においては3割が海外ブランドの売り上げであるとし、日本独自のものづくりは回復していないと分析しました。世界市場ではノンブランドが8割を占めていることから、日本でもブランドに頼らない市場を開拓するべきとしました。ブライダル市場については、結婚自体がコロナで減っていることを示しました。

2023年は再始動の年
2023年は再始動のイメージ、コロナは終えて2019年以前に戻ろうとしている。香港フェアでは日本ブースも活気が戻るのでは。国内では為替の影響で値上がり、仕入れの問題が生じている。

SDGs
SDGsの対応は日本では遅い動き。インドのメーカーなどはSDGs全開で、SDGsに即したマテリアルを使ったジュエリーのプロモーションなどが活発。SDGsに積極的な姿勢を見せることも重要で、そのうち点数がつくようになるのでは。SDGsの取り組みがある会社と取引したいという動きが出てくる。身近なところからSDGsを始める取り組みとして、子供にも宝石に親しむ活動に参加してはどうか。

メタバース
韓国のファッションメタバースにブルガリが出店。今後はリアル店舗より空中戦で戦うことになる。消費者もそこで買い物するのが常識に。2023年がメタバースの最初の年になるだろう。

法務情報「認知症など精神疾患の疑いのある顧客への対応」

JMG顧問 新田 真之介 弁護士

近年増えている認知症をはじめとする精神疾患のある顧客との取引について、法的な観点と対応策を伝授。親族からの購入キャンセルを受けた時、売買契約は解除に応じなければならないか? また接客時に違和感を感じた時の対策など実例をあげて紹介しました。

・法律では、権利能力は未成年と成年後見がつく人にはないが、現場では家裁の審判のない認知症が多い。

・消費者契約法のNG行為をやらないこと。消費者契約法の項目は年々増えているからアップデートが必要。認知症とわかって過量に販売などはもちろんNG。

・成年後見を受けていないなら契約は有効(解除は法律上できない)が、家族と不用意に揉めると悪い口コミなどにつながる。

緊急提言「小売り流通チャネル崩壊時代への適応策について」

JMG  顧問  デジタル担当 佐藤 善久 

今年からJMGデジタル担当顧問に就任した(株)デジタルジュエリー 代表の佐藤善久が、昨今の業界チャネル変容状況を踏まえた、緊急提言の紹介がありました。

RX JAPAN社が発表した、今年7月に開催される予定のBtoC 宝飾展『TOKYO JEWELRY FES 23’Summer』がターニングポイントになると予測。メーカーも順次小売に参入する時代には、小売店が生き残る手段の一つが製造販売業への業態転換であると説きました。

製造小売業のメリット
・究極のジュエリー専門店としての地位確保
・納期の短縮、サプライチェーンの簡素化
・価格決定権が自社になる

製造小売業のデメリット
・多額の投資
・製造経験なし
・何がわからないかがわからないこと

マイクロファクトリーの導入概要
・外注せずオーダーに応える
・製造小売業に向けたプロダクツ「マイクロファクトリー」
・ジュエリーCADの入り口ジュエリーデザイナー養成講座で最初の一歩を。2時間8週で完成度高い作品制作が可能。

ゲスト講演「最新ジュエリー動向と、これからの日本宝飾業界に期待すること」

株式会社 時計美術新聞社 専務取締役
『The Watch & Jewelry Today』編集長 藤井 勇人 (ふじい はやと)氏
(聞き手:PR現代  代表取締役 下島 仁)

販売チャネルが増えて誰でも気軽に販売できるようになり、プロの販売者として何をすべきかが問われる時代となりましたが、流通価格の開示が進む中で2023年はむしろ追い風なのではと考えています。小売店が出せる商品は何か、デザインや希少価値などを始め、プロとしてやっていくには差別化しかないと思われます。業界が淘汰されていけば個人販売になり、価格競争は激化しますから、よりプロ化しなければならず、ただデジタルにすればいいかと言うとそうではないでしょう。

自分の子孫に誇れる仕事かどうか

小売店はジュエリーで人を喜ばせる仕事です。ジュエリーの継承という点で、私は父親からはもらえませんでしたが、父はメンズジュエリーを流行らせようとした人だったので、ジュエリーを着けることに対してのプライドや誇りは受け継いだと思います。事業継承はしないというご子息がいたとしても、つける習慣があれば多少なりとも良くなっていくのではないでしょうか。売るだけではなく、ジュエリーを身につける文化を伝えていく仕事であることを見直したいと考えます。

SDGs活動について

下島:SDGs活動をするボランティア活動を記事にされていましたね。
藤井
:ある時計メーカーがSDGsの一環で、ダイバーズウォッチのプロモーションに絡めて海の清掃活動などを行っているのを取材しました。プロモーションではあるのですがメーカー関係者だけで、小売店の方たちは来なかったんです。SDGsは自社だけで完結するという社会運動でではないことを理解しなければならないと思っています。小売店の皆さんはジュエリー文化を次世代に伝える義務があるのですから、SDGsに対しても広い視点で取り組んでいただきたいと願っています。

ジュエリーの還流について

下島
:中古品に対する考え方ですが、リフレッシュジュエリーなどの表記についてどのようにお考えですか?
藤井:デパートでも中古ジュエリー売っていますが、「中古品」の表記は正しいのか?との疑問は持っています。今までは中古品のジュエリーは買いたくないと言う風潮がありましたが、時代とともにその認識は変わってきました。昔から地金はリサイクルが当たり前だったし、宝石も還流するものでした。弊紙でもネットジャパンが出てきた頃の記事にもそのことは掲載していましたし、そのスタンスでずっと記事は書いています。今はその波に乗っていけばいいのではないかと思っています。買取価格が安くなるのでバランスは悪いですが、新品仕上げをして素材価値を高め、職人とデザイナーの価値を考え直す時代に来ているのではないでしょうか。

下島:コメ兵は「リユースではなくリレーユース」と言っていますが、せっかく世に送り出されたジュエリーですから、もっと大切に扱おうという問題提起として良い話ですね。
藤井:うちの新聞でもずっと取り上げた来た話題なので、ここで新たに再構築すべきだと思うし、プラスになる話だと思います。もっと前向きに捉えるべきですね。

下島:リサイクルできるジュエリー44兆円のうち7%しか世に出てないといわれますね。中国のブライダルジュエリーD Rの取り組みなど、納品時にも工夫が必要と思います。
藤井:ブライダル市場に対する考え方の違いもありますが、一人一つしか買えないのは「中国だからできるんだよね」と日本人は捉えがちです。一番幸せな瞬間に携わることができることに喜ぶべき仕事です。日本人に合うやり方を考えて、違った視点で見てみればいいのではないでしょうか。気持ちを高め、一生に一度を強調する戦略が爆発的に売れたのですから、提供することで喜びを高め、ジュエリー産業が手助けすると自覚をして意識すれば良いのでは。

下島:物語性や体験価値として素晴らしい戦略であるとDRの記事から学びました。
藤井:デザインも大切で、ただありものを並べるだけではつまらないと感じます。海外ではデザインのバリエーションが豊富で、見ていて楽しいですから。

下島:最後にご参加の皆さんへメッセージをお願いします。
藤井:リアル店舗の強みを活かせるのが皆さんの最大の武器だと思います。新たなジュエリー文化をもう一度作ってほしいと願っています。現代は若い世代で着飾っている人が多いですよね。安いのでもいいからジュエリーを身につけたいという気持ちにどうアプローチしていくか、ジュエリーを提供できる場にどう出ていくかが地域貢献であり社会への貢献と考え、私も御徒町の人々と活動しています。一人ではできないのでいいことを周りに広める、業界の人たちに伝えていく。次世代に何を伝えていくか、残していくかを考えて前に進んでいきましょう。

たとえば御徒町の工房の職人さんの話ですが、現象を続ける職人仲間を増やす活動として、職人を育てる教室を工房内に開設しました。職人さんの夢がそこにあると感じ、その儲け度外視の情熱を業界に伝えたいと記事にしました。同じ志を持つ人を一人でも増やすつもりで次につなげて行かなければと。宝石を扱う人はいい人が多いですから、皆さんも自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

『宝飾業界の若手に、業界発展のためにわたしたちは何を遺せるのか?』との藤井勇人W&J編集長のメーセージで講演は終了しました。

アナログ×デジタルの力を発揮し『選ばれる店』になろう!

最後に、当社からJMGの今年のテーマ「アナログ×デジタルの力を発揮し『選ばれる店』になる」が発表されました。またそのためには、①自社のUSP(強み)をさらに強化する! ②伝えるチカラを強化する! ③楽しんで実践する!ことが大切であることが確認されました。またJMGの今後の活動スケジュール等も紹介され、次回は4月12日(水)JMG「春の定例研究会」特別ゲスト:鈴峰 鈴木竜樹 代表 ー宝飾小売業DX 最新情報!ーの予告で終了となりました。

宝飾小売業のマーケティング実践研究会「JMG」の詳細はこちらから。

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