店のシンボルの置き時計は数々の映画に出演

店の１階には高さ２メートル近くある古い置時計が設置され、同社の歴史を物語るシンボルとなっています。1946年の開店後間もなく、創業者の五郎氏がドイツ製のこの時計を知人の時計業者から譲り受けたといいます。
80年近く休まず時を刻んできたこの置時計は、同地に松竹大船撮影所があった縁で、松竹映画にたびたび出演を果たしています。もともと撮影所の関係者が訪れることが多かったといい、店内に飾られていた時計が映画関係者の目に留まり、幾度となく映画出演のオファーを受けたそうです。
撮影に使う時は、大道具さんたちがリヤカーに載せて運んだという大船らしいエピソードもあります。この置時計は店をいつも見守る守り神のような存在として大切にされています。
「男はつらいよ」シリーズで渥美清さん演じる寅さんが身に着けていた大きな金の指輪も同社が製作するなど、撮影所とは長く深い関わりがありました。