知れば知るほど好きになる

今日、東京ではゲリラ豪雨のような雨が降りました。
昨日ほどではないですが、今夜も比較的涼しい夜です。
今日は製造卸のお客様が来社され、いろいろなお話を伺いました。

着物業界の行く末や小売業、卸業、メーカーそれぞれの役割など
午前中いっぱいお話を聞き、自分が思っている以上にいろいろな課題があること、
逆にいろいろな可能性があることを再認識しました。

通常お客様の着物購入のシナリオは、フォーマルから入り、
だんだん着物のことを分かってくると趣味(カジュアル)性の
高いものへとステップアップしていくという傾向があります。

しかし、最近右肩上がりのある小売店さんは
カジュアルから入りフォーマルへステップアップしていく
という従来とは逆のシナリオがあるというのです。

私たちの業界は、私を含めて着物販売やお客様のステップアップの流れはこういうものだ
という強烈な固定観念を持っています。

業界内では、着物を「きもの」とひらがなで書きますが、
これは業界内では常識です。

チラシやDM、ウェブサイトにも「きもの」と書きます。

しかし、新聞や雑誌、テレビ、そして何よりインターネットでは
「着物」と漢字で書くのが一般的です。

中でもインターネット上では、ひらがなできものと書くと
集客力が弱まってしまう傾向すらあります。

これも、私たちの固定観念を覆すものです。

今日、伺った好調店のお店は、SNSを駆使し、
自店の生態系を完全に作り上げてしまったという稀有な存在ですが、
それ以前にすごいのが着物の素材や染織、
仕立て加工に至るまで非常に詳しく知っている強みを持っていることです。

単に手法としてSNSを使って成功したというお話ではないんですね。

着物を知り尽くしているからこそ、他のお店ではできないことができるという
アドバンテージをしっかりとお持ちでした。

例えば仕立てひとつとってみても、
このお店は店主が実際にはさみを入れてから仕立屋さんに出すんだそうです。
お客様一人ひとりの寸法と柄合わせなどをしっかりと踏まえた上で裁つのだそうですから
すごいですよね。

おそらく昔はほとんどの呉服屋さんはそうしていたのだと思いますが、
今ではお店のスタッフが反物にハサミを入れるということは稀なのではないでしょうか。

相当な自信がなければできないことではないかと思います。

仕立て加工に関連して、

以前、「洗い張り」を特集していたテレビ番組を偶然みたのですが、
私はそれを見てとても感動しました。

着物の形をしていたものがみるみる反物に戻っていき、
それを綺麗にしていくプロセスは
それだけでアートなパフォーマンスを見ているようでした。

職人の方は、いつもの作業をしているだけなのでしょうが、
この「洗い張り」という作業工程が一時間の番組になってしまうわけです。

呉服業界には当たり前のことでも、
一般の人にしてみれば、全く別世界のこと、知らなかったことが多すぎるように思います。

洗い張りのこともそうですし、反物の裁ち方によって、仕上がるきものに違いが出ること、
着こなしの仕方や着用シーンによって、仕立て方が変わること、
色と柄の組み合わせ、素材の合わせ方によってもイメージが大きく変化すること、
柄一つひとつに意味や物語があることなど

知らない人からすれば、目がキラキラしてしまう要素がふんだんに含まれているのが
着物の世界です。

タイトルの通り、人間は知れば知るほど好きになる傾向があります。

ザイアンスの法則とかザイオンス効果などと呼ばれていますが、
これは接触頻度が高いほど、相手に親しみを感じるというもので、
恋愛や営業などでその法則を裏付ける実証実験も行われています。

日頃私たちは、集客すること、販売することに注力するばかりで、
相手が興味を持つであろう様々なことを
我々にとっては当たり前なことだからという理由で
全く伝えてないことが山ほどあります。

インターネットが普及したことで、着物の知識は以前に比べて
誰でも簡単に入手することができるようになりましたが、

残念ながら、上述したような要素は
ネット上でも見つけることはできません。

なぜなら、業界の当たり前のことが
世の中には伝わってないからです。

これを伝えることができるだけでも
着物に興味を持ってくれる方がほんのすこしは増えるはずだと思います。

今、私たちがすべきことの一つに、
この当たり前のことを当たり前と思わず、
いかにして、生活者に伝えていくかということを実行することだと思います。

当然、そのためには我々自身が、着物のことをより深く勉強し
知識や先達が育んできた知恵を習得することが不可欠ではありますが。

 

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