長男と二人、ネットで大炎上中の映画を観てきました

先日長男が11歳の誕生日を迎え、
かねてから観たがっていた映画「ドラゴンクエスト・ユアストーリー」を観てきました。
この映画は8月2日に公開されたドラゴンクエストシリーズとして初の映画化作品であり、
3DCGアニメーション映画です。
総監督と脚本を手がけたのは、
スタンドバイミードラえもんや今年年末に
公開が予定されているルパン三世の3DCG映画の監督もつとめる山崎貴氏。

Yahoo!ニュースの書き込みやYouTubeでの感想動画などが大量に
投稿されおり、かなりの酷評状態でした。
なので、長男にも「あんまり評判が良くないみたいだけどそれでも観たい?」
となんども聞きました。
長男は「君の名は。」が大好きだったので、「天気の子」のほうが良いのではないかと
勧めたのですが、やっぱりドラクエがいいということで、
いってまいりました。

公開から一ヶ月以上経っていることもあって? か、
上映スクリーンの室内にはほとんど人がいませんでした。

長男は一人ひとりお客さんの数を数え、
「14人だね」
「あ、もう一人来たから15人だね」
などとガラガラの室内をそれなりに楽しんでいました。

長いCMのあと、映画がスタート。

なるほど、日本を代表する3DCGを世に送り出してきた山崎監督と制作会社の白組の
映像クオリティはものすごく、ドット絵で表現されていた
ドラゴンクエストVの世界を見事に表現していました。

しかし、ダイジェスト的な映像の連続で
ドラクエVをやったことがない人には
ちっともストーリーがわからなかったと思います。

映画化するわけなので、ふだんドラクエをしない人もターゲットのはずと思いますが、
そのもくろみは外れてしまったのではないでしょうか。

映像美と迫力のおかげで
感極まってしまうシーンがいくつかありました。

実際、こんな感じなのかなあと、昔のゲーム画面を思い浮かべながら
ジーンとしていたのもつかのま

物議を醸しているラストシーン。

いわゆる夢オチ的な形で、これまでの物語が単なるVRだったことが明かされます。
結果、これはドラクエVを一人の青年がVRで楽しんでいる映像だったことがわかります。

ドラゴンクエストは、誰もが勇者になれるというコンセプトのもと、
自分自身の名前をつけたキャラクターを操作して
冒険するというゲームです。
ゲームユーザーはその世界の住人になったかのように没頭し、
ゲームを楽しむだけでなく、
そこで出会ったキャラクターやモンスターとの関わり合いの中で
重大な決断をしなければ世界が滅んでしまうというプレッシャーを
感じたり、花嫁を選ばなければならなかったり、
父親を目の前で殺されたり、奴隷になったり、石にされたりし、
我が子や最愛の妻と離れ離れになったりしながら
人生とは何か、生きることとは何かということを考えたり
学んでいくことのできるゲームがドラゴンクエストです。

私を含め、多くのドラクエファンが
特に思い入れのあるドラゴンクエストVの壮大な物語を期待していたでしょう。
だからこそ、
このラストを飲み込めずに劇場を後にしたと思います。

長男といえば、それも含めたとても楽しかった! 面白かった!
と言っていたので、我が家としては結果オーライです。

それにしても、このエンディングのせいで、
ドラクエ映画はつまらない、というイメージがついてしまったのは本当に残念です。

本来、何十時間もの長い時間をかけて、
親子三代の大河な物語を主人公として冒険するのがドラゴンクエストです。
二時間弱の時間で、このドラクエの物語を語ることはできないんです。

それをぶつ切りのダイジェストで見せたため、
新規のファンを獲得することも
根っからのドラクエファンを喜ばせることもできずじまい。。。

興行的にも、この劇場の入りをみれば明らかです。

映画のオチといい、
宣伝手法といい、非常に昭和感を感じました。
つまり古いんです。やり方が。

どうせ、全ストーリーを丁寧に描くことができないのですから、
Web活用を有効に活用すべきだったのではないかと思います。

アナと雪の女王がそうだったように、
YouTubeに高画質の映像をどんどん流し、口コミを広げていったように

はしょられてしまった主人公の幼少時代を
YouTubeでプレ映像として公開し、
期待を高めればよかったのにと思います。

また、もし夢オチ手法を使うなら、
この物語を見終えた青年が、
ドラクエの世界での体験を糧に
アグレッシブなリアル生活を送るシーンを
入れるべきだったかなと思いました。

実際に、9月12日からは
ドラゴンクエストウォークという
位置情報を使ったスマホゲームが公開されています。

現実の世界が、今度はドラクエの世界と重なるわけですから
このゲームの宣伝も兼ねて、
勇敢に歩き出すようなエンディングでもよかったのではないかと
思いました。

せっかく、手間暇をかけて映画を作っていただいたので、
今のネットメディアの力を借りて、
今のネットユーザーの声を聞いて、
誰も見たことのない映画とネットとスマホゲームを使った
プロモーションに仕上げれば、もっと面白かったのにと思いました。

個人的に、思い入れのあるゲームだったがゆえに、
盲目的に、がっかりしてしまったわけですが、

長男が喜んでくれたことが唯一の救いであり、
今回のクエストの目的は見事に達成はされました。

 

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